衆院予算委員会で5日、安倍総理と全閣僚出席して2018年度第2次補正予算に関する基本的質疑が行われ、立憲民主党・無所属フォーラムから西村智奈美議員が毎月勤労統計問題を中心に政府の見解をただしました(写真上は衆院予算委で質問する西村議員)。
西村議員は、統計不正問題の担当責任者である大西康之・前政策統括官を今月1日、大臣官房付に異動させ現職ではないことを理由に政府参考人として国会に呼ばないことに対して、「解明をするキーマンである大西さんの口を封じようと国会に呼ばれないようにしようと意図したと見られても仕方がない」「当事者・関係者をこの場に呼んでいただいて、与野党ともに追求していかなければいけない」と指摘しました。
根本匠厚生労働大臣は「隠すつもりは毛頭ありません」と答弁。西村議員の「大臣の命令によって大西さんを政府参考人として、出席できるようにすべきではないか。ぜひそういう指令を出していただきたい」との指摘に対しては、「前統括官に国会において政府参考人として答弁を求めるかどうかは、国会でお決めいただければと思います」と回答しました。
西村議員は、「堂々巡りなんですよ。(大臣は)政府参考人として呼ぶかどうかは国会が決めることだ(と言い)、(野田・予算)委員長は、もうすでに局長級ではないから呼ばないと仰る。これじゃあどうしたらいいんですか。どうやったら呼べるんですか」と政府与党の問題解明への消極的な姿勢を避難しました。
また西村議員は、野党側が示している2018年1月から11月の実質賃金の伸び率が大半でマイナスとなるとの試算について質問。根本匠厚生労働大臣は「機械的に消費者物価で割り戻すということで出されたことについては、その前提の限りに置いては、今、委員がおっしゃられた通りだと思います」と事実上認めました。
その後、締めくくり質疑が行われ、会派を代表して逢坂誠二政務調査会長が質問に立ちました。
逢坂議員は、第三者機関であるべき特別監察委員会の調査に厚労省の職員が同席していたことなどについて指摘をすると、根本大臣は「あくまでも特別監察委員会の主体性のもとで、その事務方の対応があった、私も今聞いてそう思っております」「特別監察委員会は主体的に判断しているんだと思います」と繰り返し答弁。
逢坂議員は、「主体的に判断して自主性自律性を損ねるようなヒアリングを自分たちが主導しているという答弁をしている。だから問題」「そもそも、今の特別監察委員会のメンバー、監察チームから引き続きなんですよ。実際にメンバーを増やしたのは、報告書を作る1日前に統計の専門家を2人増やしただけなんです。だから監察チーム内部の組織と全く同じ形で自立性だ独立性だと言っているわけですよ。これで本当の意味で自立性独立性なんか担保できるわけがない」と強調しました。
衆院予算委員会で質疑が終局し、討論採決が行われ会派を代表し川内博史議員が反対討論を行いました。補正予算は賛成多数で衆院本会議に上程され、可決して参院に送付されました。本会議では採決に先立ち会派を代表して早稲田夕季議員が反対討論に立ちました。