「激動する朝鮮半島情勢の下で拉致被害者救出を考える国際セミナー」が、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)、北朝鮮に拉致された日本人を早期に救出するために行動する議員連盟(拉致議連)の主催で14日午後、開催されました。

 1977年11月、新潟市で下校中に拉致された13歳の横田めぐみさんは今年54歳。北朝鮮に拉致されたまま41年が経ちました。

 冒頭、主催者を代表して家族会代表の飯塚繁雄さん(田口八重子さんの兄)は、「昨年から今年にかけて、北朝鮮に関する話がたくさん出て、何か動く気配を感じている。今というチャンスを逃すと永久に解決できそうにない。オールジャパンの体制で、被害者を全員取り返すべく、しっかりまとまって進めていただきたい」と発言しました。

 続いて拉致議連会長代行の山谷えり子参院議員は、米国の上下院が北朝鮮に拉致された可能性がある米国人青年デヴィッド・スネドン氏について、本格的調査を求める決議を全会一致で採択したことに言及。国際社会・日米の連携を密にして北朝鮮に圧力をかけていく必要を訴えました。

 立憲民主党を代表してあいさつした村上史好衆院議員は、「拉致の問題は、あくまでも日朝で解決するべきこと。関係国に様々な助言を受けつつも、我々日本人が、拉致被害者の一括帰国を強く願って行動するのが重要」と述べました。

 セミナー後半のパネルディスカッションでは、自由北朝鮮放送代表・脱北者の金聖玟氏が今年7月に訪米し、政府関係者らが北朝鮮に核放棄および人権尊重を求める徹底した姿勢であることを確認したと報告。麗澤大学特別教授の古森義久氏は、デヴィッド・スネドン氏のケースが米国議会で取り上げられるに至った経緯を詳説。救う会会長の西岡力氏は、国際情勢がうまくいき核放棄が実現したとしても、全被害者の即時一括帰国を言い続ける重要性を強調しました。