立憲民主党は10、11日、北海道の空知管内にある滝川市、十勝管内の鹿追町で農林水産関係の視察と関係者との懇談、農山漁村タウンミーティングを開催しました(写真上は、農林水産省関係従事者との農山漁村タウンミーティングの様子)。
滝川市内で10日、空知農民連合及び滝川農民連合の皆さんと懇談。出席者から「地域で大型化していく農業地を管理するだけであれば機械があればできる。しかし、コミュニティができなくて住みにくくなっていく」と規模拡大の抱える問題についてお聞きしました。また、民主党政権時代に実施された経営を下支えする制度としての戸別所得補償制度について、導入時には人が戻り、将来に向けた投資が可能であったことなどの話もありました。
懇談に参加した枝野幸男代表と神谷裕衆院議員は、農業政策は農業のことだけでなく、町づくり、村づくりが十分でないといけない、と地域政策の重要性や戸別所得補償制度を法制化する必要があるなどの発言をしました。
11日は鹿追町で、はじめに鹿追町環境保全センターバイオガスプラントを視察。バイオガスプラントは、家畜ふん尿や生ゴミなどを微生物の働きによってメタン発酵させ、発生したガスを製造・収集する施設のことです。視察の中で松本副町長から、日本一の酪農地帯である当地では乳牛のふん尿(1頭あたり65kg/日のふん尿を排泄)の処理は大きな課題であること、9月の震災の経験しエネルギーの地産地消が必要であると実感したことなどから、バイオガスプラントの役割の大きいとお聞きしました。鹿追町のバイオガスプラントでは、再生可能エネルギー利用はもちろんのこと、余剰熱を活かし冬季のサツマイモの苗づくりやマンゴーの栽培、チョウザメの飼育にも挑戦していました。
続いて1965年に創業した有限会社上村牧場を訪問。上村牧場では約800頭の乳牛を飼育するため4名の技能実習生を受け入れています。「人材不足は問題だが、人数を増やせばいいというわけではない」「相手は生き物だから、酪農はけっして単純労働ではない」といった声をお聞きしました。
その後、農林水産省関係従事者と農山漁村タウンミーティングを開催、酪農経営者、肉牛経営者、地元JA組合長など、5名の皆さんにお集まりいただき、現状と課題についてお聞きしました。
冒頭、枝野代表から、こうしたタウンミーティングでは反対の意見が出ることもあるかもしれないが、様々な現場の声を共有することは大事だと考えているとあいさつ。参加者からは、十勝では生き物を飼っている以上はふん尿処理が必要でありバイオガスプラントはその対応策として地域に有益なものであるが、北海道電力の送電線容量がすでに一杯であるため増やすことが出来ないといった問題や、乳価が安定している今こそ力をつけておく必要がありTPPやEPAが始まってからだと遅いといった話、人材不足対策として農家が外国人を受け入れると表明しても、頭数だけ利益だけだと現場が混乱するし、単に労働力として受け入れるだけでは、言葉やコミュニティへのなじみかたなど、人間関係のギャップを抱えながら生きていくことになる懸念など、様々な意見をお聞きしました。
代表からは、農林漁業というと「お金(生業)」をイメージするが、農山漁村に住んでいる「業」をやっていない人々も含めてどのように町・村が成り立つかを考えていきたい、と発言がありました。
鹿追町の視察・タウンミーティングには、石川香織衆院議員の案内で、佐々木隆博副代表、池田真紀、神谷裕、両衆院議員が参加しました。
○今回の懇談、視察及びタウンミーティングで協力でいただいた方々
空知農民連合 http://snouren.sakura.ne.jp/
滝川市農民協議会
鹿追町環境保全センターバイオガスプラント https://www.town.shikaoi.lg.jp/work/biogasplant/
有限会社上村牧場
安藤幹夫牧場 http://www.netbeet.ne.jp/~mo_mo_/sub3.html
株式会社池田の森牧場
有限会社コスモスファーム http://fusha.shop-pro.jp/
JA新得町 https://www.ja-shintoku.or.jp/
JA鹿追町 http://www.ja-shikaoi.com/