参院予算委員会で28日、「公文書管理・内外の諸情勢」に関する集中審議が開かれ、立憲民主党・民友会から福山哲郎幹事長が質問に立ちました。

 福山幹事長は質問の冒頭、「もう1年以上、私たちは国会で森友加計問題に付き合わされています。もう、うんざりしています。国会の当初から正直に答弁をし資料をしっかり提出していたら、もっと違う審議になっていたのではないかと思います」と話し、改ざんや虚偽答弁、資料を廃棄するという前代未聞の異常状態が続いており、安倍内閣の言葉が全く信じられない状況だと指摘しました。さらに、データの2割が誤っていた働き方改革関連法案の強行採決、過労死家族の会の要望である安倍総理との面会もしておらず、「権力行使に対して、謙虚さの欠片(かけら)もない。非常に残念だ」と話しました。

 森友・加計問題や防衛省日報問題など、「新事実、新たな証拠が出てくれば、本来なら誰かが責任をとり、真相究明に進むはずなのが、誰も責任をとらない。その繰り返しが永遠と続く本当に情けない国会の状況になっている」「国会の国政調査権、国会の委員会よりも内部の調査が優越するなんてことはあり得ない」と話し、「強弁を繰り返し、言葉だけで反論して、反証が全くありません」と指摘しました。

 その上で、「普通は内閣総辞職か、どなたかかが責任をとるもの」「もし我々と同じ野党で、1年こんなのに付き合わられたらどう思われますか」とただすと、安倍総理は「もし私たちが野党であれば、しっかりと真実が何かということについて、それを見極めていく」と答弁しました。

 これに対し福山幹事長は、「行政府と立法府の関係が完全に壊されているんですよ。国会が政府に改ざんをされ虚偽の答弁をされ馬鹿にされている」と話し、与野党関係なく選挙で選ばれた国会議員を通じて国民を騙している行為だと、安倍総理の認識が違っていることを指摘しました。

 また、森友学園に関する虚偽答弁について、太田理財局長が誰が指示をし、どういう範囲で行われたのか調査中とし、「調査結果を速やかにご報告申し上げたい」と答弁したことについて、福山幹事長は、「調査でなんでも先送りにする」と指摘。麻生財務大臣の責任と国税庁長官と事務次官が不在の状況について問うと、「私共としては、由々しき事態だと思っている。少なくとも国税庁長官が2カ月、また事務次官も1カ月等々、普通の状態ではありませんので、きちんと対応したいと思っておりますが、今捜査が続行致しておりますので、なかなか直ちにはできないという事情もご理解いただければと思っております」と述べ、明言を避けました。

 質問のあと、記者団の取材に応じた福山幹事長は、「加計学園との面会はない」とあらためて否定して安倍総理の答弁について、「審議の中で真相はさらに藪(やぶ)のなかに入っていった。総理自身が真相を藪の中に押し込んでいる感じがして、まったく真相究明には至らなかったし、不誠実な対応だと言わざるを得ない」と述べました。

 また総理が「福山議員が作ったストーリーだ」という発言をし審議が一時中断する場面があったことについては、政府が認めているものや愛媛県文書に書かれていることを挙げたとし、「それを『ストーリーだ』と言うのは、いささか無理があるとともに、苦しい証拠」と語りました。