参院予算委員会で26日、「安全保障・内外の諸情勢」に関する集中審議が開かれました。立憲民主党からは福山哲郎議員が質問に立ち、(1)学校法人「森友学園」への国有地売却と財務省による公文書改ざん問題(2)日米関係――について政府の見解をただしました。
「森友学園」への国有地売却と財務省による公文書改ざん問題をめぐっては、佐川前理財局長が昨年の国会審議で基本的に改ざん前の決裁文書を前提に答弁していると、太田理財局長がこの数日間の審議で発言していることに言及。しかしながら昨年3月2日の参院予算委員会では、佐川前局長が改ざん前の文書の事実と異なる答弁をしていると指摘し、「なぜこのような答弁をしているのか」「(3月2日の時点で)改ざん後の文書を前提に答弁書が作られているのではないか」などと迫りました。
太田理財局長は、調査中であることなどを理由に「分からない」と答弁。福山幹事長は「太田局長の答弁が破綻しているのは明らかだ。フェイク答弁にフェイク答弁をいくら重ねても真実にはならない」と断じました。
質問終了後に記者団の取材に応じた福山議員は、「太田理財局長がこれまで答弁されていたことは、かなり危ういことがはっきりした。佐川前理財局長は、昨年の3月2日の時点ですでに国会で改ざん後の文書を前提に虚偽の答弁を重ねていた。ということは、3月2日までに改ざん文書が作られていたか、改ざん文書を作るという意思決定をし、それを前提に答弁していたことになり、意図的に虚偽の答弁をしていたことが明らかになった。太田局長も正直な方なので、認めざるを得ない状況になったことは審議を見ていただければ明らかだ」と述べました。
昨年2月24日、佐川前理財局長が「交渉記録を破棄した」と発言したことに対し、当時同日の記者会見で菅官房長官は「決算文書については、30年間保存しているわけであり、そこにほとんどの部分というのは書かれているのではないか」と発言しており、同日の衆院財務金融委員会で総理が調査を指示した結果に基づき答弁していることにも触れ、「一定の報告が官邸に上がっていたと言わざるを得ない」と指摘。この点を質疑でただしたのに対し、菅官房長官は本日の質疑のなかで「(調査結果について)それぞれの秘書官はまったく報告を受けていないし、改ざん前の文書は知らない」と答弁。福山幹事長は「そんなことを財務省がやるわけがなく、驚きだ。特に総理が辞めるといった案件について秘書官を通じて状況について密に報告をして説明をするのが秘書官の役割であり、それを放棄していたとすれば、それ自体が大問題だ」と述べました。