衆院予算委員会で26日午後、「財務・厚生労働行政等」に関する集中審議が行われ、長妻昭、本多平直両議員が質問に立ちました。
長妻議員は、安倍総理が謝罪・撤回した国会答弁の根拠となった「平成25年度労働時間等総合実態調査」について、「われわれは3年間ある意味騙され続け、国会答弁でも裁量労働制(拡大)を入れる1つのデータになったものだ。どういう意図で作られたのか、誰の指示なのか、第三者の客観的な目で調べてほしい」と迫りましたが、加藤厚生労働大臣は、データそのものは不適切な比較だと認める一方、作成の経緯等については「特段不自然なところがないので、そうした調査は必ずしも必要ないと認識している」などと答弁。長妻議員は「単なるケアレスミスのような言いぶりだが、こんな上手いケアレスミスがあるのか。普通は違う土俵のデータを比べるという発想はない。調べないというのは言語道断だ」と述べ、第三者による調査の実施について同委員会の理事会で協議するよう求めました。
また、安倍総理は国会での答弁は謝罪・撤回はしましたがデータ自体は撤回しない姿勢を貫いていることから、長妻議員は「総理が撤回しないからみんなが非を認められないところがあるのではないか。政治的責任をどう考えるのか」とただしましたが、安倍総理は「データについては今まさに精査をしている」と強弁。長妻議員は「総理が『今国会最大の目玉だ』というのが働き方改革で、そこの本丸の一つが裁量労働制の拡大だ。その一番の根幹の、厚労省が労働政策審議会で『このデータを出発点として裁量労働制の拡大を議論したい』と言っているものが、こういういい加減なものであり、民主党の部会にも出されたわけだ。何も責任を感じられていないのは問題だ」と断じました。
「平成25年度労働時間等総合実態調査」をめぐっては、長妻議員は新たに233件のデータの誤りがあると指摘。加藤厚労大臣もこれを認めました。
本多議員は、(1)裁量労働制検討資料ねつ造問題(2)森友学園に対する国有地払い下げ問題――等について、長妻議員は、裁量労働制を中心に(1)裁量労働制と一般労働者の労働時間を比較した元データの信ぴょう性(2)産業競争力会議での裁量労働制拡大の議論の経緯(3)裁量労働制のデメリットとメリット(4)労働基準監督官の監督体制の脆弱性――等について取り上げ、政府の見解をただしました。