「第18回シベリア・モンゴル抑留犠牲者追悼の集い」が23日、千鳥ケ淵戦没者墓苑で開催され、シベリア抑留者支援センター、抑留経験者、遺族、政党代表者などが、犠牲者に哀悼の誠を捧げました。立憲民主党からは、長妻昭代表代行および那谷屋正義参院議員が出席しました。
冒頭、シベリア抑留体験者で、シベリア抑留者支援センター世話人を務める新関省ニさんは、「昨年明らかになった(日本人捕虜とロシア人の)遺骨の取り違いはショックだった」と述べたうえで、「75年を経て、大きな発想や方法の転換が求められている。残念ながら、すべての遺骨を収集、帰還させることは不可能。事業の内容を公開し、できることとできないことを区別し、民間やロシア側の知見や人材を活用し、国民が納得できる事業に改善していただきたい。2010年のシベリア特措法の改正も、1991年日ソ捕虜・収容所協定の改正・補強も、執行体制の大幅強化も必要」と訴えました。
長妻議員は、「約600名の遺骨が日本人のものでない可能性が発覚している。遺骨収集の徹底した改善と、DNA鑑定の大幅拡充を、政府に対して強く要請し、私たちもしっかり取り組みたい。また、現地の抑留者の埋葬地は判明しているだけで230カ所あり、多くが荒廃している。せめて墓標を立ててほしいとのご遺族の要望にも取り組んでまいりたい。先日、那谷屋議員とともにガルージン・駐日ロシア大使と面談をし、抑留者にかかわるさまざまな懸案を解決するため、日ソ捕虜・収容所協定改正の検討を要請した。戦後75年、戦争を知らない世代が大半を占める中、戦争の美化されない実際の姿や教訓を、確実に次世代に受け継いでいかなければならない」と言葉を強めました。
シベリア抑留者の遺族を代表してあいさつした山形忠顕さんは、父親がシベリアで戦犯判決を受け、のちに無実で復権されたとの「名誉回復証明書」をゴルバチョフ大統領から手渡されたことを語りました。「夫に、子に『戦犯』の汚名を着せられ、白い眼で見られ、苦渋の戦後を耐え忍んできた遺族が多数おられる。抑留犠牲者の裁判記録の入手、遺骨収集、記録の保存は、遺族個人の力では到底なしえない。人間の尊厳にかかわる問題として、国家・政府の責務としてなされるべき」と力を込めました。