「女性差別撤廃条約実現アクション」が20日、同条約の「選択議定書」の批准を日本政府に求めるオンライン集会を開催、立憲民主党からは、ジェンダー平等推進本部事務局長を務める西村智奈美衆院議員と打越さく良参院議員が出席し、あいさつをしました。

 女性差別撤廃条約は、1979年の国連総会で採択され、日本も1985年に締結をしています。しかし、日本政府は同条約の「選択議定書」を批准していません。「選択議定書」は、条約締約国で女性の権利侵害があったときに、個人および団体が国連の委員会に直接通報する権限を認め、国連が調査の上当該政府に意見・勧告の書面を送るという内容です。

 冒頭、2015年から2017年に国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の委員長を経験し、実現アクションのアドバイザーを務めている林陽子さんは、「同条約の当事国189国のうち114カ国が、選択議定書の批准を済ませている。日本にとって、『選択議定書』の議定書が必要な理由は2つある。1つめは、日本の人権状況を改善するため、2つめは、国際的なルール形成に日本の意見を反映していくため。女性差別撤廃委員会の作業部会に8年間出席してきたが、フランス、カナダ、イギリス、オランダなどの外務省法務省が出してくる法律論はすばらしい。日本も、国際機関で議論する技能を磨くべき」と発言しました。

 次に、同アクションの共同代表を務める早稲田大学教授の浅倉むつ子さんが、アクションの1年間の活動を報告。選択議定書の批准を求める請願署名4万4829筆を通常国会に届けたこと、地方議会に批准を求める意見書の採択を呼びかけ、20の地方議会で採択がなされたこと、日本における批准の障壁を議論する勉強会を行ったことなどを紹介しました。また、2021年はCEDAWによる日本の定期報告の審議が行われる予定であり、「来年の通常国会で批准の決断をしなければならない」と言葉を強めました。

 立憲民主党を代表してあいさつした西村議員は、「この選択議定書が批准されず、車の両輪の片方がまだ整っていないが故に、日本国内での女性差別の解決手段が取れておらず、大変残念な思いをしている。働く男女の賃金格差の問題などを国内の裁判所に持ち込んでもなかなか勝てないのは、日本の裁判基準が国際基準にまだ到達していないことの現れ。今国会で、野党は衆院でセクシャルハラスメント禁止法案を共同提案した。また、コロナ禍では、介護士や看護師、スーパーマーケットなど、非正規の女性が多く働く職場での待遇の低さとジェンダー不平等の構造が明らかになり、改善を必要としている。日本を国際的な基準に引き上げるべく、皆さんと連帯して頑張りたい」と決意を語りました。