野党合同の宇都宮けんじ街頭演説会が16日、東京・有楽町駅近くで開かれ、立憲民主党を代表して辻元清美幹事長代行がマイクを握りました。宇都宮けんじさんは、18日告示、7月5日投開票の東京都知事選挙への出馬を表明しています。
辻元幹事長代行は、「10年後の東京がこのままでいけるのか、格差が広がり多くの人が大都会のなかで行き場を失い、富める者は富む一方で生活の苦しい人はどんどんしんどくなる東京になりはしないかと心配をしている。足元のことはできないままバブルのようにどんどんホテルを、どんどん高層ビルをと、東京はこの20年間くらい『どんどん』ばかりを求め、気が付いたら検査も受けられない、病院に入ることができずに路上で亡くなる。失業していく。外国人観光客をあてにして商売をしてきた店が潰れ、仕事ができなくなる。このコロナの危機は、どんどん成長しているように見えた、化けの皮がはがれてきたのではないか。私たちはここでもう一度、この大都会のなかで本当に大事なもの、生きることとはどういうことなのかを考え直さなければいけない」と提起。「いままでは効率優先でなんでも民営化すればいいと、競争や効率や民営化の方向に突っ走ってきたが、公的に税金をかけてしっかり守らなければいけない。保健所も減らせ、減らせではなく、どう充実させていくのか。みんなのために働こう、分かち合おうということを基本にした政策に転換していかなければいけない」と、今回の都知事選挙の意義を説き、子や孫の世代を思い、何度もチャレンジし続ける宇都宮さんにエールを送りました。
元日本弁護士連合会会長で、ヤミ金・サラ金による多重債務者問題、消費者金融問題の草分け的弁護士として一貫して弱い立場に立ち活動し、貧困問題にも取り組んできた宇都宮さん。今回の新型コロナウイルス感染拡大の第2波が来るとさらに被害を受ける人が広がると懸念を示し、「都民一人ひとりの生存権がかかった選挙。都民一人ひとりの雇用を守る、住まいを守る、営業を守る、生活を守る、そして命を守り抜く都政を確立することが必要だ」と表明。「弁護士活動を通じていまの社会を見ると、国民や都民、市民の暮らし、あるいは人々の人権よりも経済効率性ばかりが優先された社会ではなかったか。競争社会であり、自己責任が追求される社会のもろさ、脆弱さがいま表れているのではないかと思っている。脆弱さが多数のコロナ災害の広がりを阻止しきれないなか、仕事を失い、住まいを失い、命の危機にさらされている人を大量に生み出している。私は、これからは国民の命、暮らし、人々の人権の方が経済効率性よりも優先される、自己責任社会ではなく、社会的連帯が優先される社会を作っていかなければいけないと強く思っている。そうした社会をまず都政を変えるところから始め、首都・東京が変わることで日本の政治が変わっていく、未来展望が見えてくる。そのためにも皆さんと一緒に新しい社会づくりに取り組んでいきたい」と呼びかけました。
街頭演説会には、国民民主党の原口一博国会対策委員長、社会民主党の吉田忠智幹事長、共産党の笠井亮衆院議員(比例東京都ブロック選出)が参加、共産党の吉良よし子参院議員(東京都選挙区)が司会進行を務めました。