2020年5月28日
第2次補正予算案等について政府からヒアリング 新型コロナウイルス合同対策本部
新型コロナウイルス合同対策本部・共同会派財務金融部会合同会議が28日国会内で開かれ、27日に閣議決定された令和2年度第2次補正予算案等について政府からヒアリングを行いました。
冒頭のあいさつで同対策本部本部長代行の逢坂誠二政務調査会長は、第2次補正予算案について「これまでわれわれは政府・与野党連絡協議会、あるいは1次補正予算案の審議のなかでさまざまな提言、提案をしてきた。今回の2次補正予算案のなかには、例えば家賃対策や児童扶養手当、雇用調整助成金の上限引き上げなど、まさにわれわれが早い時期から指摘をし、法案を提出してきたものが盛り込まれている。そういう意味では、一定程度評価はしたい。しかしながら、規模が小さい、対象範囲が狭いなど多々あるかと思うので、ヒアリングを通して政府案の課題、問題点についてご議論いただきたい」と発言しました。
安倍総理が記者会見で2次補正予算案を説明する際に「空前絶後の規模」と強調したことに触れ、「極めて不適切だと思う。いまは規模を誇る時期ではない。計上した予算が実際に効果的、効率的に国民の皆さんにプラスに作用しているかどうかを発言すべきであり、ふくらし粉で膨らませた補正予算の規模を『空前絶後』などと誇っている場合ではない」と批判。第1次補正予算の執行状況は必ずしも良いとは言えず、十分に国民の皆さんの手にわたらず滞っているとして、「雇用調整金をはじめ、持続化給付金についても、評価の声がある一方で苦情もたくさん寄せられている。安倍総理は『空前絶後』などと言うのではなく、今の予算が真に機能しているかどうかにもっと注意を払うべきだ」と述べました。
その上で、予備費として10兆円が計上されていることに「政府に対して10兆円の予算執行を白紙委任するようなものだ。財政民主主義(※)の観点からも、異常と言わざるを得ない」と問題視。「もちろん、予備費の効果、効能、必要性が一定程度あることは認める。予備費ゼロでいいとは思わないが、必要最小限に抑えてしっかりと国会の場でのチェックがなければ10兆円もの予備費を計上することは、これこそが空前絶後の脅威、狂気だと思う。予備費10兆円を計上せざるを得ないのであれば、政府自身の政策立案能力がないのではないか。今どこに問題があるのか見えていないのではないか」と指摘しました。
会議で、内閣官房から25日の緊急事態宣言の解除と、緊急事態宣言が解除された後の都道府県での取り組みなど新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針について、財務省はじめ関係省庁から令和2年度第2次補正予算案の概要について、それぞれ説明を聞きました。その後の質疑応答では、第2次補正予算案について、冒頭の逢坂政調会長の発言にもあった予備費10兆円を問題視する声が多数上がったほか、持続化補助金をめぐっては、今回野党が求めてきた、フリーランスの人や、今年創業した事業者にも対応を拡大したことを評価する一方、売り上げが前年同月比で50%以上減少という基準について弾力的に運用できないかという声、支援拡充に伴う事務委託費の取り扱い等について質問がありました。そのほか、「事業主側の休業手当の支給と、今回休業手当を受け取れない労働者が直接申請できる給付金の創設との関係はどうなるのか」「防衛予算など、本予算を減額して振り替えたところはあるのか」「文化芸術活動の緊急総合支援パッケージ560億円の具体的な支援対象は」等さまざまな質問や指摘、意見が上がりました。
共同会派として今後、第2次補正予算に盛り込むべき内容を各部会等で取りまとめ、政府・与野党連絡協議会などの機会を通じてその実現を求めていく予定です。
※国家が財政活動(支出や課税)を行う際は、国民の代表で構成される国会での議決が必要であるという考え方。日本では日本国憲法第83条(「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」)が主たる根拠とされ、これに基づいて、予算の審議や課税に関する法律の議決は国会で行われる。