【談話】温室効果ガス削減目標の維持に断固抗議する
2020年4月6日
立憲民主党気候危機対策調査会長 田嶋 要
政府は、2016年に決定したパリ協定に基づく「温室効果ガス削減目標と目標達成のための緩和努力(NDC)」について、現行の温室効果ガスの削減目標である「2030年度に2013年度比26%減」を維持したまま、3月31日、国連に提出した。
現在のパリ協定に基づき各国が提出した削減目標を完全に実施した場合でも、2℃目標を達成することはできず、各国が更なる削減を求められているにもかかわらず、削減目標を全く変更しなかったことについて、断固抗議したい。
そもそも、2016年に決定した削減目標も、建物断熱の強化など省エネルギーの徹底や風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの最大限の推進などを行っておらず、一方で温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電を推進するなど極めて不十分なものであった。日本は「乾いた雑巾」ではなく、技術革新に頼らなくても、現状の技術でさらなる削減は十分に可能である。
気候変動が更に進めば、温室効果ガスを排出していない途上国や将来世代に大きなしわ寄せが行くことになる。したがって、温室効果ガスのさらなる削減の放棄は、「気候正義」に反するものである。加えて、削減目標を低いまま維持すれば、技術革新は起こらず、環境技術立国日本の国力を失わせることにもなる。
安倍政権は、「今だけ、金だけ、自分だけ」という方針を改め、国連に提出した削減目標を撤回し、2050年温室効果ガス排出実質ゼロと整合的な目標を再提出すべきである。立憲民主党は、温室効果ガスのさらなる削減を可能とするための政策を早急にとりまとめるとともに、「気候危機対策推進法案(仮称)」の提出と成立をめざす。