政府与野党は25日午後、新型コロナウイルス対策政府・与野党連絡協議会の第2回目の会合を開催。政府に対し前回に続き追加要望を提出し、その後、政府・与野党一体となり協議を行いました。また今回、参院会派「碧水会」から国対を通じ寄せられた要望書を政府に提出しました。

 立憲民主党から逢坂誠二政務調査会長が出席し、総合的な観点から(1)特措法に基づく政府対策本部の設置時期を明らかにすること(2)リスクコミュニケーションの観点から専任の広報官を置き、正確・迅速で平易な情報提供を行うよう努めること(3)緊急事態宣言を発する際にはその根拠を明示し、国会事前報告の時期の目安についてあらかじめ提示すること――などを提言。

 さらに、今回の重点事項として次の3点の指摘を行いました。

1.雇用調整助成金の手続きについて

 制度の改善・拡充も必要だが、申請書類が多すぎる等、現行制度が機能しておらず、その中身も非常に複雑。また、実際に交付されるまで3カ月もかかってしまう。
 ※「制度を作っただけでまったく機能しないものだ」と指摘。政府側として「何とか少しでも改善をしたい」といった話があった。

2.PCR検査、ドライブスルー検査の検討準備について

 PCR検査がどのように改善されていくのか不透明な状況であり、引き続き議論が必要。
 あわせて、感染防止の観点からドライブスルー検査を導入すべき。(ドライブスルー検査は、多くの人が簡便にたくさん検査が受けられるものであるかのような印象を持ちがちだが、そうではなく、感染防止の観点からの要請)
 ※ドライブスルー検査について政府の検討状況などを問いただしたが、事例はあるという答弁を紹介するのみで、具体的な検討の形跡が見られなかった。改めて今後に備えて検討しておくべきではないかと指摘。

3.事業に対する損失、経済的な損失をどう補填するか

 政府は学校休校、出入国規制、イベント自粛など、感染防止のためにさまざまな要請をしているが、景気が回復したからといって、例えばサービス業の場合は旅館の宿泊が3倍4倍にはならず、利益を将来回復することにはなかなかならない。製造業であれば、場合によっては売れなかった分も含め3倍売れることはあり得るが、こうした状況を考え、「回復できない損失がある。そういう中で融資では対応できないだろう。だから何らかの補填策、それを講ずる必要があるのでないか」と指摘。
 ※今日の段階では政府から具体的な回答はなかったが、アメリカの例なども紹介しながら、具体的に損失を回復する手立てを検討するよう、改めて要求。

第2回連絡協議会要請事項.pdf

 協議会後、共同会派「立国社」の出席者は記者団の取材に応じました。記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。

Q:政府から緊急対策の規模感などの説明はあったか

(逢坂)それは今のところはまったくございません。政府から今日出てきた中では、いわゆる給付金と呼ばれるもの、それについては「現在検討中」というようなこと。規模感では特にございませんでした。
 また、具体的にマスクの配布などについても、一応数字を示されましたが、今まで政府が言っているもの以上のことは特になかった。

Q:雇用調整助成金について、政府から制度の改善方法についての説明は

(逢坂)明示はしていませんが「書類を少なくできる」「少しでも簡便に」といったニュアンスでの回答があった。
 また、出席者から「ネットによる申請なども可能にすべきではないか」といった提案があり、それについての政府からの具体的な答えはなかった。

Q:野党側から具体的な補填策を提案したか。また、オリンピック延期を受けて経済の冷え込み等も予想されるが、今後協議会で話し合っていく予定は

(逢坂)まず2つ目の質問から、オリンピックを明示的に頭に出してやるということではなく、コロナによっていろいろな影響が出ていますので、オリンピックの延期にともなう経済的なことが出れば、「ここからはコロナ、ここからはオリンピック」とは多分区分けができないので、一連の流れの中で、場合によっては議論になるかと思います。
 1番目の質問ですが、一番簡単なのは償還免除という方法。前回も「償還免除等」ということで言わせていただいたが、例えば、テナントが入っているところは、テナント料を下げることで、下げた事業主に対して政府が補填をするなど、そういったことはあり得るのではないかと。あるいは既存の償還している借入金に対して償還猶予をするということで実際に資金が手元に残ることもあると思っております。

Q:前回の要求に対する打ち返し等を聞いて、政府として与野党を超えて臨むという姿勢や誠意ある対応であったと受けとめているか

(逢坂)冒頭の政府からの打ち返しは、正直申し上げて、通常のヒアリングに近いような感じで、このくらいであれば少しいかがなものかと思いました。
 その後の自由討議の中で、いろいろとキャッチボールする中で、与党の出席者からも「いや、それは違うだろう」とか「そうだ、そうだ」とか、そういう話になってからは、単なる部会や部門会議でのやりとりとは違う雰囲気になったと承知しています。そういう意味では連絡協議会の場をより積極的に活用する意義・意味、これが2回目になってさらに高まったのではないか。

Q:政府の対策に欠けているところや、野党側からの提言で補える部分について、どのようなものがあると考えているか

(逢坂)いろいろな不足はあると思いますが、やはり緊急性ですね。これがないと思います。その意味で、雇用調整助成金の手続き面のことを今回出したのも、せっかく制度を作っているのにそれが機能していない。われわれがそれを出したところ、与党の皆さんからも「そうだ、そうだ」というような声が出るわけです。気がついてはいるが、なかなか具体的に政府に迫れなかったところを、われわれが口火を切ることで与党の方も「そうだな」ということになった。
 それから「融資だけでは乗り越えられないことがある」という説明をわれわれの側からさせていただきましたが、われわれが口火を切ることで「そういう問題があるよな」とか。
 今後の医療体制、どこの医療機関が重症患者を診て、どこの医療機関が一般の疾患の患者さんを診るかといったことを、都道府県ごとに整備することになっていますが、そうなった時の損失補填。ただでさえ今、医療機関は患者さんが少なくなってきているわけです、今回のコロナの影響によって。だから「そういうときの損失補填なんかもどうするんだ」という話をしたら、政府の方もその点は非常に強くメモをしておられましたし、与党の方からも頷きがあったと思いますので、まさに与野党を超えたやりとりになっている。だからますますこの場は貴重であり、国民にとって重要な場だと思っております。

Q:次回の日程については

(逢坂)西村官房副長官とは「来週、今ぐらいの時期に」ということで、協議会の最後に確認をさせていただいております。

Q:今回、れいわ等からの要望は

(逢坂)私の手元に、国対を通じて先ほどの碧水会(参院会派)の要望書が届けられましたので、冒頭、西村副長官にお渡しさせていただきました。その他のところは私のところへ来ておりませんでしたので、その状況はどうなっているかは承知しておりません。

Q:政府対策本部の設置を知らせるよう要望書にも入っていたが、設置が報道されている中で政府から説明・見通しはあったか

(逢坂)明示的な発言はございませんでした。

Q:対策本部の設置について、事前に協議会のメンバーに知らせるという説明等はあったか

(逢坂)それはございませんでしたが、多分この点は泉さんの方から釘を、

(泉)そうですね。経済対策第2弾の時には、与党からという形で事前に説明を前日にいただいてますので、それと同様にと改めて伝えさせていただきました。

Q:冒頭の政府からの説明について概要を

(逢坂)冒頭の政府からの発言は大きく分けて3点。
 1つは厚生労働省から。先日の専門家会議の分析・提言を受け、どういう対応をこれからやろうとしているか。今日の冒頭の話の中では、報道を超えるような具体的なものはなかったと承知をしております。
 あと、マスク等の配布の状況、PCR検査が保険適用になってからの状況といったことについて説明がございました。
 それから先ほど言いました入院医療提供体制の整備。今、都道府県ごとに体制を作るようにやっていますが、それへの説明がありました。
 文科省からは、主に学校の再開に向けた考え方、これも説明があったところです。
 内閣府からは、第2段の経済対策に即して、われわれが提言した内容について、どういう考えでいるかの説明がありました。特にこのペーパーにないことで言うならば、給付金については現在まだ検討中ということだったと承知しております。

(泉)厚生労働省の3月19日の分析と提言のところで、私からは「実行再生産数が、国全体として3月上旬以降、連続して1を下回り続けている」という話がありましたが、これはもう「都道府県別に公表してよいのではないか」と申し入れをさせていただきました。
 また大阪で往来の自粛がありましたが、クラスター対策班と大阪府のやりとりでいうと、いろいろとそこで示されている第1段階、第2段階という形のものがありますので、今後感染者が増えていった場合にはこういう形で展開する可能性があると、あらかじめ全国民にちゃんと伝えた方がいいのではないか言わせていただきました。

Q:補正予算での経済対策の規模について、現時点でどのくらいが適切であると考えているか。また、今後の協議会で共同会派として提言をしていく考えはあるか

(逢坂)共同会派としては、その点まだ議論しておりませんので、今の段階は白紙・未定です。

Q:野党の提案に対して、政府から具体的な成果のような回答があったか

(逢坂)前回提案したものの中で具体的な話があったのは、やはり給付金のところがまだ検討中ということなので、それは取り組む姿勢であることは明確だと思います。
 それから融資などについても「既存の融資のところについて、償還の配慮なども含めて柔軟な姿勢でやる」と言っていますので、それは一歩前進だと思っています。

Q:政府から、次の経済対策についてのスケジュール感は示されたか

(逢坂)政府から次の経済対策についてのスケジュール感は示されませんでしたが、自民党・公明党、与党それぞれから「来週中にも、それぞれの党の提言を出す」というような発言がございましたので、それを多分受けてからの対応になるのではないか。われわれからしてみると、その時期にもう一度、連絡協議会が開催できれば、さらに政府のものにさまざまなことが盛り込まれるのではないかと思っております。
 今日話をした感じでは、協議会の冒頭の入口は非常に形式的というか硬い感じですが、後半の30分以上は与党・野党入り乱れて「そうだね」「いや、そこは政府おかしいよ」といったやりとりがございましたので、まさに政府・与野党一体となって協議ができる場だと認識をしております。

Q:冒頭から形式的な流れの中では、誰がどの順番で話していたか

(逢坂)最初は政府側から、厚労省、文科省、内閣府の説明。その後、泉政調会長、それから共産党の田村さん、それから維新の浅田さん。その話がひとしきり終わった後で、私から深堀りをしたい3点、雇用調整助成金、PCR検査、事業に対する損失、経済的な損失をどう補填するか、こういう話を出させていただきました。その後は非常にざっくばらんなやりとりだったと記憶しています。

(重徳)ちょっと補足というか蛇足かもしれませんが、社保(衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」)という立場から若干横から見る面もあるのですが、今逢坂先生が言われたように、与野党の協議が非常にこれからもっと深く、また、充実したものになるのではないかという予感がしています。
 この間、いろいろな意見を共同会派の中で、平場を何回も開き、役員の打ち合わせも何遍もやり、非常に多くの整った文面、あるいは内容として、何に力点を置くかも含めて沢山議論をしてまいりました。
 実は今日の協議会でも逢坂先生は共産党の方に大変配慮されながら、いろいろとできるだけ皆でワンボイスでやっていこうと。こういうことがじわりじわりと政府・与党にも影響を与えているのでないかという印象を持ちました。
 こういった危機の事態ですから、野党もできるだけ結束し意見をまとめてワンボイスで声を届けていくことが非常に大事なことだと感じた次第です。