共同会派の文部科学部会は3日国会内で会議を開き、2月28日の文部科学大臣への「新型コロナウイルス対策における学校休業に関する申し入れ」への回答を含めて新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応状況について、文科省、厚生労働省よりヒアリングを行いました。

 文科省への申し仕入れ内容は以下の8項目です。

(1)この決定に至った経緯、理由、法的根拠を明確にして総理自ら国民に説明すること
(2)共働き家庭、ひとり親家庭などをはじめ、病院・高齢者福祉施設勤務など、親が仕事で家を離れざるを得ない世帯への支援を十分に行うこと
(3)臨時休業により仕事を休まざるを得ないことによって収入減となる世帯への支援を休業補償等により十分に行うこと
(4)受け入れを続ける学童保育、保育所、幼稚園、こども園などでの感染防止に資する環境改善のための物資の確保と予算措置を行うこと
(5)入学試験については、受験機会の剥奪とならぬよう最大限の配慮を行うこと
(6)教育課程が終了しない場合などの成績評価や卒業、進級の取り扱いを明らかにすること
(7)休業によって発生する損失(給食のキャンセルなど)については、国の責任で補償すること
(8)前例のない一斉休業の要請に伴い生ずる様々な自治体現場の実態を十分に把握し、自治体の要望も踏まえて政府は責任ある対応を行うこと

 このうち、(3)については、「臨時休業に伴って仕事そのものがなくなる場合」という場合と、「子どもの看護のために出勤できなくなる場合」があるとして、前者については文科省が作成した「新型コロナウイルス感染症対策のための小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における一斉臨時休業に関するQ&A」(2月28日時点)の「問19」に該当するもので、「非常勤講師については、授業がない場合であっても、授業準備、年度末の成績処理や児童生徒の家庭学習の支援などの業務を行うことにより、引き続き休校中においても任用することが考えられるところであり、各教育委員会において、当該非常勤講師の任用形態や学校の運営状況等を踏まえながら、適切な対応をお願いしたい」、後者については人事院と総務省が1日付けで出した、子どもの世話などで出勤が難しい職員が特別休暇を使うのを認める通知の範囲内であると回答。(5)については「Q&A」の「問28」、(6)については「問5以下」に該当すると説明しました。

 高校入試の実施については、「都道府県保健衛生部局等と相談しつつ、感染防止の措置を講じた上で実施していただきたい」、臨時休業に伴い、今年度中に実施できる授業時数が標準授業時数を下回ってしまうことが見込まれることには、「下回ったことのみをもって学校教育法施行規則に反するものとはされない」とした上で、「児童生徒の学習に著しい遅れが生じることのないよう、家庭学習を適切に課したり、臨時休業終了後には補充のための授業や補修を行ったりするなど配慮すること。児童生徒の各学年の課程の修了または卒業の認定等に当たっては、弾力的に対処し、その進級、進学等に不利益が生じないよう配慮することなどに留意いただく」などと回答しました。

 また、特別支援学校に在籍する障害のある幼児児童生徒が利用する放課後等デイサービスについては、感染の予防に留意した上で、原則として開所、開所時間については可能な限り長時間とするなどの対応を要請、受け入れ可能人数についても柔軟な対応を求めていると説明。

 (2)(4)(7)の補償等については現在政府内で鋭意検討中である、(8)については総合的に対処していく旨回答しました。

 会議では、部活動の扱いや学校の監督権、教育権の保障に関わる質問や問題提起などがあったほか、厚労省が2日に発表した、仕事を休んだ従業員に給料を全額支払った企業を対象に、1人当たり日額上限8330円の助成金を出す新たな制度についてその対象範囲や、総額どの程度を見込んでいるのか等の質問が相次ぎましたが、担当者が出席していなかったことから次回以降にあらためてヒアリングすることとなりました。