立憲民主党は19日、気候危機対策調査会(会長・田嶋要衆院議員)の第1回会合を開き、地球温暖化対策の全体像について環境省から説明を聞きました。
冒頭、田嶋会長は「世界的にホットなテーマであることはご案内の通り。(スウェーデンの環境活動家)グレタ・トゥンベリさんが大変注目をされ、他方でそれを攻撃するトランプ米国大統領をはじめ、いろいろな考えた方や思惑、そして産業界とも難しい面もあるテーマだが、すでに温暖化などという生易しい状況でないことも事実。『気候危機』という危機感を意識した命名の調査会としてスタートさせていただく」とあいさつ。「参加されている一人ひとりの地域でも具体的な異常な状況が始まっている。ぜひそれぞれの地域のわがこととして問題をとらえていただき、いまの政府・政権にはできない政策も含めて来たる総選挙に向かっての政策の絞り込みを最終的なアウトプットに定めて集中的にがんばっていただきたい」と呼びかけました。
環境省からは、(1)地球温暖化の現状と科学的知見(2)国際展開(3)緩和(削減策)(4)気候変動への適応――を軸に、工業化以前に比べ現在までに世界の年平均気温(基準値は1891年から2010年の30年平均値)は約1度上昇しているなど地球温暖化の現状や、主要先進国の温室効果ガス排出量の推移、気候変動に関する国際的な枠組み、日本の温室効果ガス削減の中期目標と長期的に目指す目標、GDP(実質)と温室効果ガス排出量の推移等とともに、気候変動対策として「温室効果ガスの排出削減対策」と「気候変動の影響による被害の回避・軽減対策」について国内での法整備や計画、具体的な施策について説明を聞きました。
その後の質疑応答では、主要先進国の温室効果ガス排出量の推移が国際基準として示される1990年比、2005年比ではなく2013年比となっていることに対し「削減率を大きく見せようとしているのではないか」といった指摘をはじめ、GDPと温室効果ガス排出量の推移に関しては「温室効果ガス排出量が(基準年を2013年度として)5年連続下がった要因をどう分析するのか」「日本だけでなく諸外国と対比する形でなければ世界における日本の置かれている状況が分からないのではないか」「これだけ毎年災害が相次いでいるなか、異常気象をCO2の問題と関連付けて議論しないのはどうなのか。そうしたミスリードによって異常気象に国民の関心が向かないのではないか」など、説明に対しさまざまな多くの意見が上がり、質問に対する追加での資料提出も要請しました。
こうした議論を受け、田嶋会長は締めのあいさつで「私たちはこの分野では環境省の応援団」だと強調。日本が危機的な状況にあるとの認識を共有した上で議論を進めていく考えを示しました。