認知症関係当事者・支援者連絡会議および日本認知症本人ワーキンググループが6日、国会内で「認知症基本法について考える院内集会」を開催し、各党議員と懇談を行いました。立憲民主党からは、西村智奈美衆院議員があいさつを行いました。

 連絡会議の代表あいさつを行った公益社団法人「認知症の人と家族の会」の鈴木森夫代表理事は、「認知症施策は、2012年の『オレンジプラン』、2015年の『新オレンジプラン』という形で、認知症になっても安心して生活できることをめざして進められている。一方で、偏見や誤解をなくし、正しい理解を促す理念法としての基本法が非常に重要」と力説。さらに、「早く実現してほしいという思いと、時間をかけてでも、みんなの力でいい法律にしたいという思いの両方がある。がん基本法や障害者基本法のように、社会を変えていく力になるような基本法を作っていただきたい」と述べました。

 一般社団法人「日本認知症本人ワーキンググループ」の藤田和子代表理事は、「45歳の時にアルツハイマー病の診断を受けて以来、隠すことなく周りの人に伝えてきた。当時は、認知症になると何もできなくなるという先入観で溢れていたが、全国に多くの仲間もでき、2018年には『認知症と生きる希望宣言』を一緒に表明した。現在、認知症と共に生きている人は700万人。みんな希望をもって『今』と『これから』を生きたいと思っている。施策や事業の対象者とみるのではなく、認知症本人の声に耳を澄まし、よりよい社会をともにつくる仲間だと考えていただきたい」と発言し、基本法策定のプロセスで当事者の声を十分に取り入れることを要請しました。

 立憲民主党の西村議員は、「厚生労働副大臣を務めていた時に、同僚がヘッドとなって『オレンジプラン』の議論を進めた。その頃から、認知症の法律は、既存の法律にはない新しい発想で作る必要があると思ってきた。人権、一人ひとりの尊厳、予防ができず誰でも当事者になりうる、という視点からのスタートが必要。本日いただいたご意見をもとにしっかり議論を進めていきたい」と述べました。