衆院本会議で6日、「所得税法等の一部を改正する法律案」の趣旨説明質疑が行われ、共同会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」を代表して末松義規議員が質問に立ちました。同法律案は、「オープンイノベーションの促進に係る税制上の措置や連結納税制度の抜本的な見直しを行うとともに、経済社会の構造変化を踏まえ、全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制の実現やNISA(少額投資非課税)制度の見直しを行う」ものとしています。
末松議員は、令和2年度税制改正の総論として「現在の日本社会に求められている格差是正などの本質的な税制課題に真正面から向き合っておらず、その場しのぎの小手先対応にしか見えない。また、消費税増税により家計の負担が増えているにもかかわらず、国民の苦しみや不満をしっかりととらえて、適切に改正していく努力の跡を見ることもできない」と酷評。各論については(1)個人所得課税(2)NISA制度の見直し(3)オープンイノベーション促進税制(4)5G導入促進税制(5)消費増税(6)自動車関連諸税――等を取り上げ、質問しました。
末松議員は、「企業の内部留保金が460兆円も積み上げられている一方、43%という戦後最低の労働分配率が示しているとおり、6千万人とも言われるサラリーマンへの賃金支払いが一向に改善されず実質賃金は長期的に下落、そのことが消費力減退の原因だと言われるなか、大企業の内部留保金拡大志向を変えさせ、賃金上昇により消費力拡大、ひいては、足腰の強い景気回復を実現するような抜本的な改革が必要だ」と主張。最低賃金の引き上げとともに、大企業の圧力等によって、下請け中小零細事業者がなかなか従業員の給料を上げられない日本の古い企業秩序や業界慣行に対しても、大胆にメスを入れて大きな改革を迫っていく必要があると政府の見解をただしました。
所得金額が1億円を超えると所得税の負担率が下がっているという実態、さらには、利益に占める法人税額の割合(法人税の負担率)が資本金1億円超5億円以下のレベルを境に下がっているなど、日本は一般国民の生活よりも、億万長者や巨大企業に対して極めて有利なシステムをとってきた国だと指摘。税制の有する所得再分配機能の観点から、第2次安倍政権下でさらに顕著になった大金持ち優遇政策、金融所得課税や法人課税をはじめとする「格差をどんどん拡大する不公平な税制体系」の格差是正抜本改革を行うべきだと迫りました。
また、末松議員は冒頭、予算委員会の質疑でも国民の疑念がさらに深まった「桜を見る会」、感染が急速に拡大している新型コロナウィルスに関し総理に質問しました。