立憲民主党は23日、今通常国会開会後初となる第63回政調審議会を開催。会議では、超党派議員立法「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案」の提出、不妊治療等に関するワーキングチーム(WT)を設置することなどを了承しました。

 会議では、審査事項として、内閣提出の「令和元年度補正予算案(一般会計・特別会計・政府関係機関)」と補正予算関連の「平成30年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案」「地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案」について、逢坂誠二政務調査会長に一任することを了承しました。

 アフリカ豚熱に緊急に対応するための超党派議員立法「家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案」については、登録し、提出することを賛成しました。同法案は、当分の間の措置として、アフリカ豚熱について、家畜の予防的殺処分の対象とすること等を盛り込んだものです。立憲民主党はこれまで豚コレラ対策本部を中心に対策強化の議論を進め、昨年12月24日には共同会派として江藤農林水産大臣に要望書を提出、考え方を提示していました。

 また、22日の施政方針演説に対する代表質問で枝野代表が言及した不妊、不育症、生殖補助医療を受けている方への補助に関し、安倍総理の答弁が不十分であったことも踏まえ、不妊治療等に関するWTを設置することを了承しました。同WTでは保険適用の対象範囲や財政支援のあり方等について検討し、政策提言を取りまとめる方針。子ども・子育てPTの下に設置され、阿部知子衆院議員が座長に就く予定です。

 不妊治療等に関する枝野代表の質問内容は以下のとおりです。

 少子化対策が叫ばれる中、希望しながら子どもを持つことができない方がいます。
 経済的理由で、希望しながら子どもを産み育てることや家庭を持つことを諦めている方や、そうした希望について考える余裕さえない方などを『豊かさの分かち合い』を進めることで減らしていきます。これこそが重要な少子化対策の一つです。総理の見解を伺います。
 いわゆる不妊・不育治療、生殖補助医療を受けている皆さんは、肉体的、社会的、そして極めて大きな精神的負担に苦しんでいます。生殖補助医療について、せめて経済的負担だけでも軽減するよう、保険適用するか、国の責任で保険適用された場合と同程度の補助を行うかするべきです。認識をお示しください。

 安倍総理はこれに対し、「不妊治療については、他の疾病と同様、治療と疾病の関係が明らかで、治療の有効性、安全性が確立されているものについては保険の対象としています。一方、体外受精や顕微授精については、保険適用外とされており、治療費が高額に上るとの指摘があることを承知しています。こうした経済的負担の軽減を図るため、体外受精や顕微授精について、近年では、初回治療の助成額を15万円から30万円に引き上げ、助成対象を男性の不妊治療にも拡大するなどの拡大を行ってきており、今後とも、一人でも多くの方の出産の希望をかなえてまいります」と答えるにとどまりました。

 報告事項では、逢坂政調会長から(1)「政務調査会の運営に関する基本原則」(改訂版)(2)部会・調査会・PT・WT役員(3)「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律及び特定複合観光施設区域整備法を廃止する法律案」(通称:カジノ実施法廃止法案)の衆院への提出(4)国会同意人事への対応――について報告があり、これを了承しました。

 会議終了後、逢坂政調会長は記者団に対し、補正予算案に昨年相次いだ自然災害からの復旧・復興関連予算が盛り込まれていることについて、その必要性は認める一方、「昨年中にやるべきであり、遅すぎる」と、政府の対応を批判しました。