日本労働組合総連合会(連合)は26日、議員会館で「2020年度予算編成等に関する要請書」を立憲民主党に手交。福山哲郎幹事長、逢坂誠二政務調査会長、辻元清美幹事長代行、山内康一政調会長代理、本多平直政調筆頭副会長、松田功団体交流副局長と懇談を行いました。
冒頭、連合の相原康伸事務局長は、「ベルリンの壁崩壊以降、国際社会が新しい世界秩序に向けて踏み出してから30年。グローバル化の光と影がなお一層のコントラストを際立たせている。日本は、課題を解決する先進国として、オールジャパンで力を合わせていくことが大事。そのためには、政治の透明度が高くなければ政治に対する信頼が生まれない。皆さまもその立場で全力で国会対応されていることを強く感じている。われわれも働く者の立場から、地域で参加し、社会に参加し、政治へも参加できる体制を作り上げていきたい」とあいさつしました。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は、「働き方改革がスタートし、労働環境が大きく変化する中で、皆さまも働くことを軸とする安心社会達成のために日々ご尽力いただいていることに敬意を表する。安倍政権下では格差が広がり、国民の間に分断が広がり、実質賃金が低下し続け、将来不安が広がっている。一方で、国会の行政監視機能は数の力で押し切られ、改ざん、虚偽答弁、挙句の果てには資料廃棄が横行しており、憂慮する事態だと考える。しっかりと政局対峙をしていきたい。一方で、本日のご要請は、各部局で反映できるように努力をしていく」とあいさつしました。
その後、連合の井村和夫・総合政策推進局長は、要請書のポイントとして、(1)自然災害からの復興・再生の着実な推進と防災・減災対策の強化(2)経済・産業政策と雇用政策の一体的推進および中小企業・地域産業への支援強化(3)「公平・連帯・納得」の税制改革の実現(4)労働者保護ルールの堅持・強化およびすべての労働者の雇用の安定と職場の環境整備(5)「全世代型支援型」社会保障制度の基盤と人材確保策の拡充(6)教育の環境整備に向けた政策の推進――について語りました。
これに対し逢坂政調会長は、「要請内容はまったく違和感なく、われわれと思いを一つにする内容である。われわれとが今問題にしているのは、税の再配分機能がまったく効果を発揮していないこと。平成の30年間、消費税が上がる一方で法人税が下がり、税収はプラスマイナスゼロだという学者もいる。今後は法人課税をどうするかがポイント。法人課税を一律に課すと中小企業に大きなダメージを与えるため、儲かっていて労働分配率の低い企業にどんな手当てができるかが重要。もう一つの大きな問題は、海外リスクの高さ。イギリスのEU離脱、中国(経済)の激しい減速、それに影響を受けたドイツの輸出減速。このような政界の動きが日本に与える影響を注視しながら、予算の議論をする必要がある」と述べました。
その後、最低賃金の底上げ、地域格差の縮め方、企業の内部留保、消費税、分配構造の転換、小さくなりすぎた政府機能、外国人受け入れ体制などに関して、広く意見交換がなされました。