一般社団法人 Marriage For All Japanー結婚の自由をすべての人に(マリフォー)が19日、「マリフォー国会 同性婚を伝えよう #結婚の自由をすべての人に」と題して、同性婚の実現を訴える院内集会を開催し、立憲民主党SOGIに関するプロジェクトチーム(PT)の西村智奈美座長と尾辻かな子事務局長、逢坂誠二政務調査会長、初鹿明博、大河原雅子、堀越啓仁各衆院議員、石川大我、打越さく良、熊谷裕人各参院議員、立憲民主党・無所属フォーラムの小川淳也衆院議員が連帯のあいさつをしました。
冒頭、寺原真希・マリフォー共同代表は、「同性婚は、右も左も関係なく、日本が本当に人権を尊重するかどうかの試金石。国会においても党派を超えて、同性婚を可能とする法改正を早期に実現してほしい。また、各政党において、当事者の話を直接ヒアリングする機会をぜひ設けていただきたい」とあいさつをしました。
続いて、在日米国商工会議所のクリストファー・ラフルアー会長、およびLGBTとアライのための法律家ネットワークの石黒徹理事が、日本で同性婚を認めることが、グローバル市場における競争力強化に直結すると講演しました。
ラフルアー会長は、「欧米では、性的マイノリティーへの差別を法律で禁止している国がほとんどで、G7で婚姻の平等が認められていないのは日本だけ。それが理由で、日本で働くことを諦める人もいる。日本企業の生産性を上げ、企業の意思決定の質を上げるためには、多様な従業員が安心して働ける環境を整えることが重要」と強調しました。
石黒理事は、「電通が今年1月に発表した調査結果では、日本のLGBT人口は8.9%を占め、左利きの人やAB型の人とほぼ同比率。左利きの人やAB型の人が個人の尊厳を守られないことはあり得ない。同様に、LGBTの人が法の下の平等から疎外されていいわけがない」「LGBTのカップルは、海外ではれっきとした夫婦でも、日本では夫婦として認められず、配偶者ビザが出なかったり、事故の際に治療室に入れない、緊急手術の承諾が許されない、などのリスクがある。そのため、海外の優秀な人材が少なからず日本に来たがらない。同性婚を立法化すれば、税金を使わずに、非常に即効性をもって、日本の国際競争力を向上させることができる」と述べました。 今年2月にカミングアウトした現役女子サッカー選手、下山田志帆選手(スフィーダ世田谷FC所属)は、「今年5月までドイツのクラブに所属していた。ドイツでは2017年に同性婚を認める法律が成立した。セクシュアルマイノリティーがあまりにも自然に受け入れられていることに驚いた。オリンピック憲章では、2014年に性的指向による差別禁止が規定された。2020年オリンピックを前に、東京都でも条例化されたが、現実はどうか。日本のアスリートの中で、カミングアウトしている現役選手は私だけ。多くのアスリートが、スポンサーやファンの目を恐れ、ありのままの姿を出せないでいる。制度を変えるだけでは不十分。同じ人間として、同じ存在として、国レベルで肯定してもらう必要がある」と語りました。
会場には、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告が全国から集まり、「片方が病気で働けなくなっても扶養扱いにしてもらえない」「自分が亡くなっても、子どもの親権をパートナーに渡せない」「二人の財産を相続できない」など、同性婚が認められないことによる困難を次々と訴えました。
20年ほど前から当事者として活動してきた尾辻議員は、「20年間一緒に活動してきた仲間たちが、議員会館で、こうして顔を見せて、自分たちの権利のために立ち上がっている。ついにここまで来た、新しいスタートを切れる時が来た、と感無量」と言葉を詰まらせました。「一緒にこの問題を考え、変えていこうとしている超党派の議員仲間もこんなにいる。2019年は、2月14日に訴訟が起こり、6月3日に野党3党による法案が提出され、11月19日、この議員会館から新たな運動がスタートする。一緒に力を合わせて頑張ろう」と呼びかけました。
石川大我議員は、「『日本にも同性婚を』というテーマを掲げて、先の参院選で勝たせていただいた。6年間しっかり活動して、なんとしてでも実現したい」と決意を述べました。
逢坂政調会長は、「立憲民主党は、多様性をバネにして力強い社会を作りたいと思っている。今年6月、同性婚を認める法案を社民党・共産党と共に国会に提出した。その実現に向けて頑張りたい」と発言しました。
熊谷参院議員は、「さいたま市議会議員をやっていた頃に請願を受け、さいたま市でパートナーシップ制度をいち早く実現した。しかし、自治体が条例だけ作っても、法律上さまざまな壁がある。その壁を取り払えるのは国会だけ。法律をしっかりつくり、誰でも生きたいように生きられるように頑張っていきたい」と言葉を強めました。