立憲民主党は30日午前、定期党大会に先立ち衆参総支部長と都道府県連代議員を対象にした地方代議員会議を開きました(写真上は、同日開催の定期党大会と同じ会場で開催した地方代議員会議であいさつする枝野代表)。

 冒頭あいさつに立った枝野幸男代表は、参院選挙での各自の奮闘に感謝の意を述べた上で、衆院総支部長に対しては「次の衆院選挙でしっかりと皆さんに議席を得てもらうことがそれぞれの皆さんのためではなく、立憲民主党のためでなく、わが国のこれからの政治にとって大変大事な意味を持っているというなかでの戦いだ。党大会を通じて各地で奮闘している同じような仲間、全国各地でそれぞれ抱えている困難な事情を共有する機会にしていただき、さらに各地でのご奮闘をお願いしたい」と呼びかけました。

 その上で、10月4日に開会する臨時国会に際し、「本当に国民生活に関わる、日本の社会、政治に大きくかかわる案件が山積している。国会議員団はそうしたたくさんの課題をしっかりとより力強く臨時国会から国民の声を代弁して届けていかなければならないと決意している」と表明。

 特に、関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていた問題については「ある意味ではわけの分からない、本当に闇の深いと思われる案件が明らかになっているところだ。原発をめぐる政官業の癒着が本来あるべき日本のエネルギー政策を歪めてきたのではないかということにはこれまでも言われてきた。私自身も東日本大震災、東京電力福島第1原発事故の折の官邸での仕事をさせていただき、その後経済産業大臣をやらせていただいた立場からこの闇をどうやって明らかにしていくことができるのか、そうしたことのなかで本来あるべきエネルギー政策へと変えていかなければならないという強い思いを持ってきたが、この案件は想像を超えるものだ。一民間企業である電力会社と立地自治体、との話ではない。日本のエネルギー政策の適正、公正、国民生活を大きく左右する問題であると同時に、そこには国民の皆さんがお支払いになっている電気料金や場合によっては税金も絡んでくるような話だ。国会においても厳しく、まずは全貌を解明させる。そしてこのようなわけの分からない問題を発生させない構造を作っていく。これは私どもの結党の経緯や、結党以来掲げている理念・政策からも大きな責任だと思っている」と述べました。

 10月1日から消費税が10%に引き上げされることには「われわれの強い反対、国民の皆さんの強い不安にもかかわらず消費税も上がってしまう。これによって生じる現場や日本経済に対する混乱などもしっかりと検証していかなければいけない」と指摘。

 「国会の方はさまざまな案件があるなか、大きな構えで厳しく国会論戦を通じて立憲民主党の存在をしっかりと国民の皆さんに示して伝えていきたいが、それは車の片方の車輪にすぎない。全国各地で地域の皆さんと寄り添ってわれわれの思いをお一人おひとりに直接つなげていく、有権者の皆さんの思いを直接受け止めてつなげていただく。そうした皆さんの役割と両方が同じスピードでしっかりと着実に前に進んでいったときに日本の政治を変える、政権を変える、そこにつながっていくと思っている。それぞれの地域で大変厳しい問題を乗り越えていかなければならないと承知しているが、いまの日本の危機を克服し未来を切り拓いていくために皆さま方のご奮闘、ご協力をお願い申し上げ、そこに向けての意義の大きな地方代議員会議と党大会にしたい」と力を込めました。

 会議では、福山哲郎幹事長がまず新役員の紹介と共同会派の経過について報告。安住淳国対委員長から共同会派の意義について、長妻昭選挙対策委員長からは衆院選挙に向けての方向性についてそれぞれ説明がありました。

 その後あらためて福山幹事長から同日の党大会にかけられる年間活動計画案(年間活動方針)と本部予算案について説明。これを受けての質疑応答では計12人が発言。政策に関しては、教育や障害者政策、高齢者問題、経済政策、若者の政策などについて力を入れてほしい、日朝、日韓など外交関係についてきちんと提起をしてもらいたいといった発言がありました。また、共同会派の結成については評価する声が多く、野党の連携をさらに深めてほしいという発言、政権交代を視野にシャドウャビネットの立ち上げの提案や、地方での意見交換を重視してもらいたいといった趣旨の発言もありました。