立憲民主党は17日午後、台風15号災害対策本部(本部長・枝野幸男代表)・災害対策部会の合同会議を開催。令和元年台風15号による被害状況(17日午前7時現在)や政府の対応、13日に政府に申し入れた激甚災害指定、早期復旧・復興に関する要請項目等について関係省庁から説明・報告を受けました。

 冒頭、あいさつに立った同本部事務総長の福山哲郎幹事長は、台風15号による被害が広範囲かつ長期間にわたっていることに危機意識を持っているとして政府に対しさらなる取り組みを要請。13日の政府申し入れの際、武田防災担当大臣に「東京電力の対応については政治がしっかりとグリップをしてそれぞれの報告を確認しながら取り組まないと想定通りにはいかない」と伝えたことに触れ、「そのあと3連休を経ていまだに7万戸の停電が続いているのは遺憾だ。倒木の処理など人海戦術で人が必要なことは理解しているが、人の派遣も含めて迅速に事態の把握ができていたのかについては疑問を呈さざるを得ない」と指摘しました。

 今回、有事の際に首相官邸内に設置されてきた非常災害対策本部の会議や関係閣僚会議が開かれず、安倍総理が停電の全面復旧に全力を挙げるよう関係閣僚に指示したのが台風上陸から4日後の13日だったことから、政府の対応をあらためて問題視。「首都圏では漁業、農業、流通を含めた産業、人々の暮らしに大きな影響が出る可能性がある。現場で動いている議員の声を被災地の声として受け止め迅速かつ懸命なご助力をお願いしたい」などと述べました。

 会議では、内閣府、国土交通省・気象庁、総務省・消防庁、防衛省、警察庁、厚生労働省、文部科学省、農林水産省、経済産業省・中小企業庁、環境省の担当者がそれぞれ被災状況および対応について報告。経済産業省は、台風15号による大規模停電が千葉県を中心にいまだ続いていることを謝罪したうえで、停電の状況(同日9時現在で6.4万戸)や、 (1)東京電力の体制(2)自衛隊への支援要請(3)電源車の配備(4)経済産業省からの職員派遣――等停電復旧の加速化と被災地支援の取り組みについて説明しました。防衛省は、千葉県、神奈川県からの災害派遣要請を受け、倒木除去やブルーシート展張支援、給水支援、入浴支援等を行っていると主な自衛隊の活動を報告。約3千人で倒木除去を継続的に実施できるよう、ローテーションの実施を含め、最大で約1万人で対応できる態勢を確立したと述べました。

 政府への申し入れ事項に関しては、激甚災害の指定は「家屋の状況など全容把握をしたうえで適用要件を満たすかどうか判断する」、地方交付税等による財政支援実施の要請は「県や市町村から財政状況を聞きながら適切に対応していく」といった回答がありました。

 党台風15号災害対策本部からは、千葉県、神奈川県、東京都、茨城県の被災状況等について現地調査に入った岡島一正、早稲田夕季両衆院議員、塩村あやか、小沼巧両参院議員がそれぞれ現場の声を報告。同対策本部事務局長でもある岡島議員は、現場での取り組みに感謝の言葉を述べた上で、いまなお広域で倒木と停電が続き発災直後と変わらない状況に置かれ、支援の手が届いていない人が多くいると指摘。自治体と連携しながら取り組みを進めてほしいと求めました。また、政府と自治体などとの情報共有がうまくいっていなかったのではないかとの問題提起もありました。