令和元年台風第15号の影響により伊豆諸島・関東地方南部を中心に甚大な被害が発生。千葉県では広い範囲で停電や断水が続くなか、給水や医療など市民生活に大きな影響が出ています。

 党台風15号災害対策本部(本部長・枝野幸男代表)は13日、11日の同対策本部設置後に関係都道府県連と緊密な連携を取りながら行ってきた情報収集や、現地調査の結果を踏まえ、令和元年台風15号被害への激甚災害指定、早期復旧・復興に関して武田内閣府防災担当大臣に申し入れ。激甚災害指定を始め、被害の早期復旧・復興に向け、最大限の取り組みを政府に求めました。

 申し入れの内容は、(1)激甚災害の早期指定(2)被災者の生活支援の強化(3)大規模停電の早期の全面復旧(4)公共土木施設等の災害復旧事業の早期採択等(5)伊豆大島など島嶼部の被害実態把握と復旧支援(6)地方交付税等による財政支援実施の要請(7)中小企業・小規模事業者への支援(8)農林水産業者への支援(9)鉄道・バス等公共機関の早期の全面復旧及び今後の対策(10)大規模太陽光発電設備の安全性の確保――の計10項目。今回の被害では内閣府は12日、災害救助法の適用を決定しました。

 申し入れ後記者団に対し、同対策本部事務総長の福山哲郎幹事長は、今回の被災状況についてお互いに問題意識を共有し、大臣からは迅速に対応していきたい旨発言があったと報告。千葉県選出でもあり連日現地視察をしていた同対策本部事務局長の岡島一正衆院議員(党災害対策本部局長)は、「今回の災害は死傷者の数は幸いにも他の大災害に比べると多くはないが、体で言うと心臓は大丈夫だが、体中の毛細血管が破壊されたような状況が起きている。地域の電線、電話など生活に一番近いところが一斉に破壊されるという、これまでにない甚大な被害だ。来年は東京オリンピックも開催され、一ノ宮(長生郡一宮町)はオリンピック会場にもなっている。そうした首都圏での災害であることを強く認識していただき、激甚災害指定をして復旧・復興しなければ間に合わなくなるとの問題意識を伝えた。大臣からは『全力で当たっている』との報告を受けた」と述べました。

 記者団から、会談のなかで「千葉県の対応が遅れているのではないか」との指摘が出ていることへの言及はあったかと問われると、「話はあったが、いま誰がいいとか悪いという話ではない。一日も早く国と県と市町村で連携を取っていただきたい。一分でも一秒でも早い現場の復旧が大事なので、そのことは強く求めた」とコメント。この災害の最中での組閣といった安倍政権の対応については、「組閣の日に40数万戸が停電をし、命が危険にさらされているなかで燕尾服を着て改造することはいかがなものか、遺憾だと申し上げた。その気持ちはいまも変わっていない。実際に今回この復旧が、電力の問題も含めて遅れたことについて、安倍政権の対応についてはしっかりと検証しなければいけないが、いまはとにかく一日も早く(政府に)この状況の早期復旧に向けて尽力してもらうことが第一だ。誰が悪いとか遅いといった話は現場が落ち着いてから検証していきたいと思うし、国会でもしっかりやっていきたい」と指摘しました。

 申し入れにはこのほか、同対策本部幹事の早稲田夕季、髙木錬太郎両衆院議員が参加。早稲田議員は、神奈川県鎌倉市内の全域で土砂崩れや倒木、大規模な停電などの被害が発生していることに触れ、山の手入れの必要性を訴えました。

令和元年台風15号被害の早期復旧・復興に関する申し入れ.pdf