日本労働組合総連合会(連合)は7、8日の2日間、2019平和行動in根室として、北方領土返還と日ロ平和条約と4島交流の推進を目指すシンポジウムと集会を根室市内で開催しました。

 8日午前に納沙布岬・望郷の岬公園で開催された2019平和ノサップ集会の主催者あいさつで相原事務局長は「昨年は開催直前に発災した北海道東部胆振地震で中止となり、今年は2年ぶりの根室での開催となる。北方領土が不法占拠されてから今年で74年。長年にわたり返還交渉が続けられてきたが、依然としてロシアの不法占拠の実態は続いている。2016年12月の首脳会談で共同経済活動を実施する新しいアプローチが合意された。北方領土には豊かな水産資源や自然といった素晴らしい価値があり、その価値を高め両国の発展につなげる必要がある。さらに根室をはじめとする周辺地域の発展という視点も欠かせない。今年の日ロ首脳会談で平和条約に向けた協議を進めることが確認されたが、ウラジオストック会談では具体的成果は上がっていないように思える。私たちが灯す祈りの灯が両国の将来の発展を照らすものとなるよう、両国政府の交渉と対話を期待し要請していきたい。戦後74年、元島民の方々も年齢を重ねられている。生きている間にふるさとに戻りたい、自由に島と行き来したいという元島民の皆さんの想いを共有させていただきながら、一日も早く自由に往来できるその日が来るよう粘り強く運動を続けて行きたい」と述べました。

 集会では連合北海道の出村良平会長の地元歓迎あいさつのあと、外務大臣、沖縄北方担当大臣、北海道知事のメッセージが紹介され、諸星衛北方領土問題対策協議会理事長、石垣雅敏根室市長、児玉泰子北方領土返還要求運動連絡協議会事務局長が来賓あいさつしました。元島民の鈴木咲子さんの訴え、連合島根松林重雄副事務局長の竹島問題に関する特別報告、連合長崎高藤義弘会長の平和アピール、連合北海道から連合沖縄へのピースリレーののち、約1000名の参加者全員で集会アピールを採択し、がんばろう三唱で集会を閉じました。

 前日の7日午後からは北海道立北方四島交流センター(二ホロ)で、映画「ジョバンニの島」の上映と4分科会に分かれたセミナーが開催されました。第1分科会では「北方領土問題の現状と日ロ共同経済活動を前進させるために」と題して、山根木晴久総合組織局長の進行のもと、石川一洋NHK解説委員、児玉泰子北方領土返還要求運動連絡協議会事務局長、石垣雅敏根室市長、古宮山晴香北海道総合研究調査会研究員によるパネディスカッションが行われました。連合は1989年の結成以来、北方領土返還運動を6月の沖縄、8月の広島・長崎とともに4つの平和運動と位置づけ、「平和行動in根室」として取り組んでおり、2004年と2005年には「北方四島ビザなし訪問 連合の船」も実施しています。