18日宮城県入りした枝野幸男代表は、16日に告示された仙台市議会議員選挙の応援で市内各所を回り街頭演説。困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う行政、政治の実現に向け、党公認候補への支援を呼びかけました。

 東北大学出身の枝野代表はまず冒頭、「仙台市は私の青春でふるさと」と語り、その仙台の明日を切り拓く選挙だと意義を説き、立憲民主党の公認候補をどうか皆さんの力で当選させてほしいと支援を呼びかけました。

 その上で、枝野代表は「人間は一人の力だけでは生きていかれない。どうにもならないことが人生にはあるからこそ、そのときのためにあるのが行政、政治ではないのか。本来困ったときのためにある政治が、自由競争、自己責任を煽る方向に進んできてしまった」と指摘。「日本は世界の中で有数の経済大国だ。『超高齢社会』と言うとマイナスのことのように聞こえるが、千年も2千年も前から人類の夢は不老不死、長寿だった。長生きができるという、人類が求め続けてきた社会を実現している、いまそこに生きる皆さんがその幸福を実感できていないとしたら、困ったときに寄り添う政治の仕組みが機能していないからではないか。私たちはこの大きな政治の流れを変えて、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う行政、政治をしっかりと作り上げて、『まっとうな社会』を、豊かさを皆さんが実感できる社会を取り戻していきたい」と説きました。

 「それぞれが抱える困りごとは千差万別。それに対応した行政、政治をやろうと思ったら東京で全国一律、一括でできることには限度がある。安心して暮らすために何が必要かは、地域や世代、生活環境によって違う」と述べ、暮らしに寄り添う政治を実現するためには地方自治が重要だと強調。「100万人都市・仙台では、市長一人の力では暮らしの声、実態を受け止めることは不可能だ。市長と同じ方向を向いて市政を前に進める議員、皆さんの暮らしの声を届ける市議が大事だ」と述べ、立憲民主党公認候補への支援を訴えました。

 約20年間、自治体職員として障害を抱えている人、シングルマザー、家族の介護をしている人など市民の皆さんの困りごとを聞いてきたという、新人の鈴木すみえ候補(仙台市若林区)。「一職員として何ができるかを考えてきたが、法律や決まりごと、条例のなかで職員ではどうにもならない、どう説明したらいいのか悩む日々を続けてきた。それなら自分で世の中を変える。議員になって法律や条例を整備していく道があると今回立候補を決意した」と語り、特に子ども・子育て支援や東日本大震災後から8年が経過した被災地で次のステージに向けた新しい街づくりなどに重点的に取り組んでいくと表明。「必ず皆さんのために働く」と力を込めました。

 新人の貞宗健司(さだむね・けんじ)候補(仙台市太白区)は、「子どもを生む、生まないは個人の自由だが、子どもがほしいと思う世帯を支援するのは政治の責任だ」と述べ、一児の父親でもある立場から子育て世代の代表として子どもがいきいきと輝く街をつくりたいと表明。市民が安心して暮らし、将来に希望を持ちながら、誰もが笑顔あふれる街にしたいと決意を述べ、「政治を作るのは政治家ではなく市民の皆さん、持続性のある豊かな仙台を一緒につくりましょう」などと呼びかけました。

 新人の山下純候補(仙台市宮城野区)は、郡和子・仙台市長の衆院議員時代、秘書として約10年勤務、今回の選挙では仙台市の質を高める3つの柱として「格差社会の是正に取り組む」「子育てを頑張るあなたを応援」「医療・介護福祉サービスの拡充」を掲げています。地域を回るなかで貧困やいじめ、育児疲れ、老老介護等、「置き去りにされている人」がいることに気づいたとして、「誰に相談していいかも分からないという人たちが大勢いる。私は顔の見える議員、相談できる議員になりたい」と表明。『まっとうな政治』とは、皆さまから頂く一言一言を大切にし、市政、生活の場につなげていくことだと考える。この仙台市から『まっとうな政治』を取り戻したい」と述べました。

 現職で今回6期目を目指す佐藤わか子候補(仙台市青葉区)は、「弱い立場の人に光を当てるのが政治だと思い、弱い人や困っている人を助けるために議員を志し、バックとなる組織も後援会もないなか奇跡的に当選をさせていただいた。それから20年、初心を忘れたことはない。市議会においてははっきりものを言わなければならない、追及しなければならないがふだんはあったかハートだ」「私は何歳なのかと聞かれるのが一番つらいが、大事なのはやる気とパワーと情熱。皆さんを助けたいというこの気持ちで、皆さんのお役に立てるうちは生涯現役で働いていきたい。皆さんの一言一言を受け止めて活動していきたい」などと市政に懸ける熱い思いを語りました。

青葉区では村上かずひこ候補とともに街宣カーで流し遊説
聴衆と握手を交わしそれぞれの思いを受け止める枝野代表