2019年7月13日
【静岡】比例代表候補の石川、佐藤、白沢も参加 立憲民主党・企画街宣「この夏、わたしは変えたい。」
立憲民主党・企画街宣「この夏、わたしは変えたい。」の第1弾が13日、静岡市内で開かれ、比例代表の石川大我、佐藤かおり、白沢みき各候補も参加し、それぞれ当事者の立場から国政を目指す思いを語りました。演説会では枝野幸男代表、静岡選挙区の党公認候補、徳川家広さんも登壇し、「いっしょに政治を変えよう」と訴えました。
佐藤かおりさん
DV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴力被害者の支援の現場で仕事をしている。労働組合の実行委員長としてさまざまな課題解決に取り組んできた。
私が支援の現場で働くようになったきっかけは、15年前に派遣社員で働いているときに私自身がセクシャルハラスメントの被害に遭ったこと。日本で初めて国を相手に裁判を起こし、セクハラの労災を勝ち取ることができた。8年かかった。一人では戦えなかったが、日本中に同じように被害に遭った女性がたくさんいた。私一人の問題ではない。そう思ったときに8年間、仲間たちと共に戦い抜くことができた。当時は「 #metoo 」という言葉はなかったが、共につながって声を上げたら国の仕組み、労災の仕組みが変わった。私たち一人ひとりの声が国に届いたら、こんなふうに社会が変わっていくと経験し、「やめない、負けない、あきらめない」と、いまの支援の原動力になっている。
日本では先般の野田市の(女児虐待)事件のように、母親や子どもが「助けてほしい」と声を上げても具体的な支援につながらず、幼い命が奪われている。日本にはDV防止法はあっても加害者を処罰する規定がない。私のところに駆け込んでくる女性や子どもたちは、いまある家を離れて仕事をやめ、大切な友だちに別れも言えないまま、ある日突然家を離れなければならない状況にある。生活のすべてを失って目の前にあるのは貧困。やっと働けるとなってもほっとできない。なぜなら、働いても働いても貧困から抜け出せないから。
今年3月、性犯罪の無罪判決が立て続けに出された。このことは多くの方々があまりにもひどい判決だと声を上げてくれた。いまの日本は被害に遭っても法律の上で被害者として認められない。だからこそ、当事者である私が国会に、との思いで今回立候補している。当事者こそが社会を変える専門家。いま必要な法律、は困難と闘かっている一人ひとりの声が道しるべ。その声に学んで、その声を具体的な法律や制度につなげていきたい。
石川大我さん
私は2011年、日本で初めてゲイであることをオープンにして東京の豊島区で区議会議員に当選をさせてもらった。2期8年、さまざまなことに取り組ませていただいた。いま社会が、大きく変わっていると思う。私が住む豊島区でも2019年、男女共同参画条例を改正し、男性同士、女性同士のパートナーズシップに登録証を発行する、パートナーズシップ制度ができ、今では9組の方たちがパートナーズシップ制度を結んでいる。
政治の役割は何か。大企業でもお金持ちでも、自分のお友だちを優遇することでもない。私は豊島区で自分以外の、お友だちでもない、出会ったこともない人たちがこのパートナーズシップ制度を望んでいてくれていた。この制度を作ったことで多くの人が生きる希望を得て、明日からも暮らしていける。それが政治家としての生きがいではないかと感じた。
私はLGBTの当事者として、「日本にも同性婚を」と訴えさせていただいた。この(レインボーの)チラシを配っていると、たくさんの当事者の方にお声かけをいただき、このチラシによって「同性婚、いいんじゃないの」と言っていただける輪が広がっていくと思う。
今から10年前、静岡県に住む高校生と一緒にNHK教育テレビの『ハートをつなごう』という番組に出演したことがある。彼は高校の弁論大会で自分がゲイであることをオープンにして、社会を変えていきたいと訴えていた。番組では、この静岡の町でもロケをして自分の生きづらさを語ってくれた。それから10年が経ち、この社会は大きく変わった。私は中学生のときに同性愛者であると気づいた。辞書を引くと、「同性に性欲を感じる異常性欲の一種」と書かれていた。いまではもちろん変わっているが、それから30年、立憲民主党は6月3日、同性同士の結婚を可能にする、「婚姻平等法案」を国会に提出した。全国8%、1千万人のLGBTの皆さん、仲間の皆さんの力、勇気を分けてください。
白沢みきさん
私は今回、『堂々。ひとり家族』というテーマを掲げた。これは、今日お集りの皆さんも、お一人おひとりで心地よい世の中にしようということ。いまこの日本が、年金問題で2千万円の蓄えがなければ安心して暮らしていけないと言うが、そういった計算のすべて(の前提)が、「夫婦子ども2人」だと言われている。私はずっとこの日本の、古くから伝えられている標準家族というものにものすごい違和感を覚えていた。私は52歳、結婚もしていない、子どもも産んでいない。仕事に命を懸けてきて何となく婚期を逃してきたと言われているが、私は堂々と一人で、「自分の意思で一人暮らしをしている」と言える社会にすべきだと思っている。皆さんのなかにも一人で暮らしてきた方がたくさんいると思う。この日本はすでに35%は一人世帯。このままいくと2040年には4割が一人になる。結婚している皆さんもパートナーに先立たれれば最後は一人。どうでしょうか、この日本で安心して一人で暮らしていけるでしょうか。もちろん専業主婦の方を羨ましいと思ったことはあるが、恨んだことはない。夫が一人、妻が一人、独身者も一人、みんな一人。個人で年金を払う、平等な社会でいいんじゃないかと思っている。対立も分断も何もいらない。私たちは令和という時代を、一人ひとりを尊重し合い、楽しく生きていける世の中にしていかなければいけない。
歳をとって一人で部屋の中にいたときに、ものすごく不安になるという話をよく聞く。昔は家族で3LDK、一軒家に住んでいたけれど一人になって住み替えたくなっても一人ではアパートが借りられない。親族、保証人はいますか?ご家族は?パートナーは?私はそれを経験したくないので35年ローンで(家を)買った。再就職したいと思っても、52歳、独身、身寄りがないとなると再就職も思うようにいかない。でも住宅ローンは待ってくれない。本当にこの国は一人が安心して暮らしていけるセーフティネットを作らなければならない。私は真剣にそう思って立候補した。皆さん、最後は一人です。あなたも、あなたも、あなたも一人です。どうか令和という時代を、一人でも安心して暮らしていける社会にするために、国政の場に送ってください。