「同数・均等」を意味するフランス語に由来し、人々は男女半々だから政治も平等に担おうという考え方、原則を意味する「パリテ」。立憲民主党は、これまで真のジェンダー平等社会の実現に向け、まずは「パリテ(男女半々の議会)」実現をと、各地で集会や女性向け政治スクールを開催してきました。
2月23日は東京都内で、多くの女性が日常的に悩まされており、政治が早急に取り組むべき課題の1つである「性被害」をテーマに、女性が政治を変えるプロジェクト第3回「パリテ・ナウ@赤坂」を開催。20代から70代まで約20人が参加し、身近にある性被害をなくすために政治ができることは何かについてグループワークを行いました。
初めに、行き場のない少女たちを支援するNPO法人BONDプロジェクト(※)代表でルポライターの橘ジュンさんが「若年女性を取り巻く現状」をテーマに同団体の支援活動や問題の背景、課題等について講演。後半のグループワークでは橘さん、党ジェンダー平等推進本部長の神本美恵子参院議員、同本部事務局長の大河原雅子衆院議員も加わり「自分の身近にある性被害」「変えるために必要なことは」「政治家に望むこと」等について意見を交わしました。
グループワークでは参加者は、まず身近にある性被害について、痴漢や職場の慰安旅行でのセクハラ、SNS上での嫌がらせなどの被害事例を出して話し合いました。「ひどい」「許せない」と怒りを爆発させる一方、和やかな雰囲気のなか、日頃なかなか外に出せない思いやつらい経験を涙ながらに話す姿もありました。共感とともにそれを励ます声もあり、安心の場となりました。
結果発表では、「変えるために必要なこと」として、「酔った勢い」「大したことない」と加害者やその周囲の人たちの罪悪感が薄いこと、「ミニスカートを履いているのが悪い」などと被害に遭う女性に落ち度があるように責められ、加害者が守られ被害者が責められるケースが多いと現状への問題提起がありました。
これに対して被害者のケアの重要性に鑑み、相談窓口となる担当者の知識やスキルのアップや、マニュアル作り、そうした問題に詳しい担当者を必ず組織に配置するなどの仕組み作りを提案。一方で、被害に遭った女性自身が被害を軽く受け止めてしまう傾向にあることも問題視し、「私たちはもっと怒っていい」ということを一人ひとりが認識し、周囲からも「もっと怒っていい。それって犯罪だよ」と背中を押してあげることが必要だと訴えました。
参加者はまた、性教育を含めた幼少期から思春期に至るまでの教育の必要性も訴え、日本では性を語ることがタブー視されすぎているとして、親による家庭での教育と学校教育、さらには会社での実効性のある研修を求めました。
「政治家に望むこと」では、具体的な政策として「迷惑防止条例の改正」が挙がったほか、「性被害は女性の問題ではなく社会の問題」であり、弱い立場にある、声を上げにくい人たちに対する権力者、力のある人たちからの暴力、嫌がらせ(ハラスメント)を社会全体で考えていくことが必要などといった発表がありました。
現職の自治体議員や候補予定からは、ストーカーやセクハラ行為など深刻な被害実態も報告されました。「こうした状態が続くと次の出馬について考えざるを得ない」「家を引っ越すなど被害を受ける側が対策を講じなければならない」といった状況であり、「1票の力」を振りかざす有権者からのハラスメント行為、いわゆる「票ハラ」に苦しんでいるとして、「女性の政治参画を進めて政治を変えていかなければいけないが、政治参画自体が阻まれている状況にある」との指摘もありました。
最後に参加者の声に応えて橘さんは、政治家に対して「被害者のケア」「環境の整備」「加害者への厳罰」を重点的に取り組んでほしいと求めました。
神本参院議員は、「私は、教員時代から女性差別に対して声を上げ続けてきたが、あらためてもっと怒らないといけないと思った。怒る勇気を周りがサポートすることで、(当事者が)怒りを声にして(結果として)被害を減らすことができる」と強調。昨年の通常国会に提出した性暴力被害者支援法案や、現在党内で議論している「セクハラ禁止法案」についても紹介。今年6月に国際労働機関(ILO)総会で職場でのセクハラや暴力を防止するための条約が採択される動きがあることに触れ、「#MeToo」運動が世界的に広がるなか、「こうした流れを背景に法整備に力を尽くしたい」と決意を述べました。