立憲、国民、自由、共産、社保、社民の野党5党1会派は26日、「児童虐待を防止し、児童の権利利益の擁護を図るための児童福祉法等の一部を改正する改正案」(通称・児童福祉法等改正案)を衆院に提出しました。
同法案は昨年の通常国会に提出した「児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案」の内容を強化したもの。2019年1月に千葉県野田市で起きた児童虐待事件を重く受け止め、児童虐待の防止及び保護者への指導・支援強化のため、市町村への子ども家庭総合支援拠点の設置や、児童相談所における加害者の再発防止プログラムの実施を義務付ける内容です。児童福祉法、児童虐待防止法、DV防止法の3つの改正を含んでいます。
法案提出後に行われた記者会見で、阿部知子衆院議員は「今回の法案のポイントは市町村窓口の体制強化。中核市・特別区には児童相談所を必置と定め、児童虐待・DVの早期発見に繋げたいと考えている。DV被害を受けていた保護者が虐待加害者になってしまうケースもあり、双方をきちんと受け止めなければならない。DVに関しては、市町村窓口に婦人相談員を置くことも規定している。野田市の事件では助けを求めていた子どもを救うことができなかった。子どもの声が無視されることのない法改正を行っていきたい」などと語りました。
また、初鹿明博衆院議員は「野党案と政府案で大きく発想が異なっているのは、児童虐待の防止に加えて保護者への指導・支援を行う旨法案に明記している点。これまでの児童虐待防止法ではその視点が抜けていた。虐待の原因には親の養育力不足や、親自身が虐待を受けていて子どもの育て方が分からないといった問題がある。親に対する支援をしっかり行うことで虐待そのものを減らすことができるのではないか」などと法案の趣旨を強調しました。
今回提出した野党案については、今後、政府案とともに国会での審議を求めていきます。