衆院予算委員会で8日、安倍総理と全2019年度予算の基本的質疑が行われ、立憲民主党・無所属フォーラムから川内博史、大串博志、逢坂誠二各議員が質問に立ちました。
川内議員は、厚生労働省の毎月勤労統計の不正調査問題で、参考系列の統計であるのに標準誤差率を出していないことが毎月勤労統計に対する検査における評価、統計精度を下げていると指摘。「計算しようと思えばすぐ出せる」と標準誤差率を示すよう求めましたが、厚労省は「検討する」と答えるにとどまりました。
大串議員は冒頭、愛知や長野など5府県の養豚場で家畜伝染病「豚コレラ」の感染が確認された問題を取り上げ、「防疫措置、殺処分、何よりも風評被害対策を」「初期の段階であらゆる資源を投入してまず止めることが大切であり、それが全国的な広がる抑える安心につながる」と要請。
毎月勤労統計不正調査をめぐっては、特別監察委員会(委員長・樋口美雄労働政策研究・研修機構理事長)の調査において厚労省の事務方のみでのヒアリング、身内調査をなぜ認めたのかを、同委員長の樋口理事長に尋ねました。しかしながら樋口理事長は、労働政策研究・研修機構理事長として委員会に招致されていることを理由に答弁を拒否。「樋口委員長を含めて委員の皆さんが第三者であるかどうかを示す重要なポイントだ」と迫りましたが、樋口理事長は「いま再聴取をしているところ」「理事長としてきている。委員長としての発言は控えさせていただきたい」との答弁を繰り返しました。
逢坂議員は、毎日勤労統計不正調査で、この問題の担当者であった大西前政策統括官だけが「一定の意図を持って報告しなかったことは明確だ」として、いち早く更迭されたことを問題視。「最終判断は私で、手続き上は最終的に閣議で決めた」と言う根本厚労大臣に対し「私たちは、大西さんに事実をきちんとお話いただきたいと思っていたら、国会で予算委員会が始まる直前に更迭され、発言を封じていた、証人、参考人を隠していたのではないかと思わざるを得ない。今日になってやっとお越しいただいたが、事実をしっかりお話いただければこの問題はこんなに変に拡大することはなかった。この責任は大臣にあると思う。初動を誤っていたのではないか」と指摘しました。
また、この問題によって2019年度予算の編成替えをしなければいけないことを大臣に伝えたのはいつかとの問いに、厚労省の定塚官房長は「具体的に何日かは把握をしていない」と答弁。逢坂議員は「大西さんの報告漏れは小さなことではないかもしれないが、一度閣議決定した予算を編成替えすることの方が相当大きなことだと思う。処分の矛先が違うのではないか」と断じました。
北方領土問題に関しては、7日の「北方領土の日」でのあいさつでも、安倍総理から「北方四島はいまだかつて外国の領土となったことがないわが国固有の領土である」という言葉が発せられなかったことからこの点をあらためて追及。安倍総理は「政府の法的立場にはまったく変わりはない」と答えるのみで「わが国固有の領土」との言葉はなく、そのことについて逢坂議員は「交渉事であり簡単ではないことは理解するが、国民に残念だという気持ちを抱かせることのないように、論旨を明確にして日本の主張はこうだが交渉事だから詳細は言えないというように、姿勢を明確にしてほしい」と求めました。