参院本会議で5日、内閣提出の「水道法の一部を改正する法律案」「サイバーセキュリティ基本法の一部を改正する法律案」「原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案」の採決が行われ、水道法改正案は与党などの賛成多数で可決・衆院に送られ、サイバーセキュリティ基本法改正案は、立憲を含む与野党の賛成多数で可決・成立、原子力損害賠償法改正案は与党などの賛成多数で可決・成立しました(写真上は、登壇する川田龍平議員)。
水道法改正案の採決に先立ち、会派を代表して反対の立場で討論に立った川田龍平議員は、コンセッション方式について丁寧な議論が必要だと指摘。また水道事業は、自然災害と有事においてどんなにちいさな脆弱性も許してならないが、民営化の問題は平時ではなく有事にやってくる、政府の最大の役目とは有事の際に国を守り抜くことだと指摘しました。
また自民党の2017年政策パンフレットに安倍晋三総裁の言葉として「危機管理にも全力を尽くし、皆様の生命と財産を守り抜いてまいります」と書かれているが、危機管理に全力を尽くす安倍政権の政策に矛盾すると語り、命を守らない政治に存在意義はないと指摘し討論を終えました。
原子力損害賠償法改正案の採決に先立ち、会派を代表して反対の立場で討論に立った杉尾秀哉議員は「これまで我が国では、いわゆる『安全神話』のもと、原発推進政策を文字通り『国策民営』で進めてきた。ところが、あの福島事故によりその安全神話が根底から覆され、原子力損害賠償法(原賠法)の不備が露わにされた。その経験を踏まえれば、今後、万が一、原子力事故が発生した場合にも、被害者への賠償が十分に図られるよう、原賠法を抜本的に改正することが必要であり、事実、平成23年8月に成立した『原子力損害賠償支援機構法』等においても『原賠法の抜本的な見直し』が求められていた」と語り、今回の改正でも(1)法律の目的として「原子力事業の健全な発達」が維持され、現行の1200億円の賠償措置額の引上げが見送られるなど、根幹部分はそのまま(2)ADRセンターの和解案に拘束力を持たせないまま――だとして被害者の保護に万全を期す内容とは全くなっていないと指摘しました。
これに対し立憲民主党・民友会は修正案を提示し、今後、原発依存度を低減させていく観点から、(1)被害者の保護を唯一の目的とすべく、目的規定から「原子力事業の健全な発達」を削除(2)政府が賠償措置額の引上げについて速やかに検討する(3)原子力事業者は原則としてADRセンターから提示された和解案を受諾しなければならない――など、原子力事故の被害者保護に向けて必要な取り組みを明記していました。