2018年10月31日
自民党が見直し規定盛り込み条件に入管法改正案了承、「欠陥法案だと自ら露呈」と枝野代表 定例記者会見で
枝野幸男代表は31日夕、定例の記者会見を国会内で開催。(1)国会対応(2)臨時国会の主な論点(3)辺野古埋め立て承認撤回の執行停止決定――等について発言しました。
「今日はハロウィンです」と切り出した枝野代表は、ハロウィン直前の先週末に渋谷駅前で軽トラが横転させられるなどの騒動が起き、痴漢や盗撮、暴行などの容疑で逮捕者が出たことから、「お互い人様に迷惑をかけない程度に今日は楽しんでいただきたい」と呼びかけました。
国会対応について問われると、「聞かれたことに答えない姿勢がますます顕著になっている。一問一答形式の予算委員会の場で何も答えていないということを国民の皆さんの前により明らかにしていきたい」と述べました。
入管法改正案
臨時国会の主な論点の1つである、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管法改正案をめぐっては、安倍総理が同日の国会答弁のなかで「移民政策はとらない。移民政策は大きな政策転換であり国民のなかにさまざまな意見があるなかでやるべきではない」との考えを示したこと、自民党が法律施行後に見直しを求める規定を盛り込むことを条件に了承したことについて問われると、「多くの皆さんが移民政策について、肯定的否定的両面から強い不安・危惧を示しているのは、日本語としての、国語辞書的な意味での『移民』について危惧をしている。それをいつのまにか『移民』という定義を自分勝手に作り『移民ではない』と言うのは安倍政権の姿勢を象徴している」「見直し規定で了承するのは、見切り発車を象徴している。実際に法案が成立し施行されればそれに基づき日本に来られる方がいる。それを、いいものかどうか分からないから3年後に見直す。見直した結果どうなるかという見通しがない。そんな状況で外国の方に日本に来てくださいというのは無責任極まりない。その間に大きな弊害があって見直さなければならない状況になった場合に誰が責任を取るのか。欠陥法案であることを自ら露呈をした話だ」と断じました。
国民投票法の改正
国民民主党が憲法改正手続きを定めた国民投票法の独自の改正案を了承したことを受け、この対応について問われると、「他党のことであり、説明を受けていないので直接のコメントは避けたい」とした上で、同法案で政党がテレビCMを流すことを禁止するとしていることには、「本来自主規制でやるべきだ。今の国民投票法を作るときに当時の民放連(一般社団法人・日本民間放送連盟)は『自主規制するから規制しないでくれ』という趣旨のことを明確に述べておられる。まずは民放連に自主規制をしっかり求めるべきであり、どうしても自主規制に応じていただけない時に初めて法規制の話が出てくる問題だ」との考えを明示。
これに関連して、「民放連はCM規制しない方針を示しているが法規制は考えているか」とさらに記者から尋ねられると、「本来は自主規制でやるべきであり、それを前提にいまの国民投票法ができている。民放連の姿勢が変わったのであれば、それをしっかりと憲法審査会の場に出てきて国民の前で説明をしていただきたい。私も質問をさせていただきたい。なぜ変わったのか、あるいは前回嘘をついたのか。そうしたことが明確になり、それでもどうしても自主規制がされないというときに初めて法規制の話にすべきだ。これは報道・表現の自由と関わるので、できるだけやりたくないと思っている。そういう手順をしっかりと踏ませていただきたい」と述べました。
辺野古埋め立て承認撤回の執行停止
沖縄県名護市辺野古の新基地建設をめぐり石井国土交通大臣が30日、防衛省が申し立てていた沖縄県の埋め立て承認撤回の執行停止を決めたと発表したことについて問われると、「安倍総理が『沖縄に寄り添う』という趣旨のことを発言しておきながら、沖縄県知事や県民の皆さんに対する働きかけ、努力が一切ないなかで、沖縄の民意に反することを進める姿勢は人の道に反する」と指弾。
辺野古新基地以外の代替案についての考えを問われると、「この問題は日本国内だけで決められる話ではない。アメリカと合意ができなければ実際には効果がない。政権を取った暁にアメリカと交渉し、違う結論を導く。それまでは工事は止めるべきだ。それまでの間は両者が納得できる結論を得られるよう、野党としてできる範囲内でわれわれの考え方をお伝えし、先方のいろいろなご意見を伺っていきたい。具体的なことは政権を取ったあとだ」と述べました。