党エネルギー調査会(会長・逢坂誠二衆院議員)は17日、新しい再生可能エネルギー技術を調査するため海流発電の実証試験機「かいりゅう」の開発に取り組んでいる株式会社IHI横浜事業所を視察しました(写真上は、「かいりゅう」を背にする参加した議員ら)。

 「かいりゅう」の開発に携わってきた同社IHI技術開発本部、横浜事業所の方から、これまでの経緯と今後の見通しを伺い、実物を間近で見ながら質疑を重ねるとともに、資源エネルギー庁、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から技術開発の現状について説明を受けました。

 「海流発電」とは、黒潮など外洋を流れる大きな海水の流れの中に水車を置き、羽根の回転により発電するもの。欧州では、海峡や瀬戸など海の狭いところで潮の満ち引きを利用して発電する「潮流発電」が盛んですが、日本では、黒潮という世界有数の強い海流が国土の近くを流れており、これを利用し水深の深い所に浮体式の発電機を設置する独自の技術開発が進められてきました。黒潮が持つエネルギーポテンシャルは、205GWと試算されており、安定的で大きな発電量が期待できます。

 「かいりゅう」の発電出力は100kW。海底のアンカーにつながれ、凧のように水中を浮遊しながら2つのタービン翼を回して発電するほか、自律して浮力・潜行をコントロールする能力を有しています。昨年7月、鹿児島県十島村口之島近海で初めての実証試験を行い、30kWの発電に成功しました。今後は、より長期にわたり発電試験を行い、実用化に向けた課題を洗い出していく予定です。

 今回の視察で、改めて日本が抱えている自然エネルギーの豊かさ、日本の技術力を活かすことで、それを安定的なエネルギーにしていく可能性を実感しました。「原発ゼロ」に向け、こうした技術の後押しをしていきます。

 当日は、菅直人最高顧問、山崎誠エネルギー調査会事務局長、早稲田夕季政調会長補佐が参加しました。