立憲民主党は結党から間もなく1年を迎えるにあたり、27、28日の2日にわたり新潟県南魚沼郡湯沢町で国会議員及び衆参総支部長、地域組織の都道府県連合関係者を対象とした研修会を実施しました(写真上は全体研修で話をする枝野幸男代表)。

 研修1日目は、(1)若手議員と衆参総支部長を対象とした選挙対策(2)都道府県連合関係者を対象としたそれぞれの地域での取り組みの報告と意見交換(3)ジャーナリストの津田大介氏を迎え「現代メディアの諸問題と政治コミュニケーションの今後」と題した講演(4)枝野幸男代表の講演と意見交換――が行われました。

 枝野代表は研修の合間に記者団の取材に応じ、研修の目的や沖縄知事選、自民党総裁選などについて話をしました。

 研修の目的については、国会の開会中は国会議員同士でもコミュニケーションが十分にとれないこともあり、また国会議員がいない都道府県も含め地域で頑張っている仲間と意思疎通を図り、間もなく結党1年になるので、「立憲民主党としても次のステップへ踏み出していく」ためのものと話しました。

 また、若手議員や総支部長に対しては、「国民の皆さんから背中を押され、ここまで押し上げてきていただいているのかというその本質論と、もう一つはその対極にある選挙のノウハウなどを学んでもらい、本当の意味で信頼されて強い議員・候補者になってもらいたい」と述べました。そして若手議員・総支部長向けの研修の中で「自民党が強いのは政策で強いのではない人間関係で強いんだ。自民党だから応援しているのではなく、自分の知り合いの自分の信頼するこの人が自民党だから、たまたま自民党を応援しているんだ。こういう人が多いから自民党は強いのであって、そういう候補者になること」とアドバイスしたと明かしました。

 都道府県連合関係者との意見交換では、それぞれの地域組織から状況報告を受け、「厳しい中で頑張っていただいてる方が沢山いることに改めて感謝をしていますし、そうした中で、ない袖を振ってでも、そうした地域の組織がしっかりとした活動ができるようにやっていかなければならない」と話したと説明しました。

 世論調査で支持率が頭打ちになっているのではないかとの質問には、全体のトレンドや様々な状況を踏まえた分析をする必要があるため個別の世論調査についてはコメントしないという従来の姿勢を示す一方、国会閉会中は全国的な組織があっても野党の報道が少なくなり、活動が有権者に伝わりにくい状況だとして、県組織が立ち上がっていない地域が10以上あるなかで、「本当脆弱な体制で頑張ってくれている仲間、地域がたくさんあるので、国会のない時、メディアでなかなか報じていただけない時でも、存在感を示せるような、足腰作りが大きな課題」と述べました。

 安倍総理に自民党麻生派が来年夏までに憲法改正の国民投票をすべきと提言をしたことについては、「どういうテーマについて、どういう理由で改定が必要なのかという議論も全く煮詰まってない状況で、とてもそんなスピード感で物語ができるとは思えない。自民党の党利党略というか派利派略で憲法を弄ぶのはやめていただきたい」と話しました。

 また国民投票法については、イギリスのEU国民投票や大阪市特別区設置住民投票の実施などで様々な事実が明らかになっているとして「従来の制度のままでは大混乱を起こすのは目に見えている。特に一番大きな問題になっている広告規制をどうするのか結論が出なければとても運用できる状況ではない」と話しました。ただ国民投票法については、前向きな議論に応じたり立憲民主党からの提起も含め真摯に取り組みたいとの考えを示しました。

 沖縄知事選の玉城デニー衆院議員の名前が上がっていることについては、「私は一貫して申し上げておりますが、翁長知事を支えてきたオール沖縄の枠組みで翁長さんの遺志を継いでさらに前進をさせていけるような候補者が決まることをお待ちしている。そうした候補者が決まれば、我々沖縄では非力でありますが、その一角を担わせていただいて応援できればありがたいなと。ただそれはどなたであるかとか、そういうことではなくてオール沖縄として候補者が決まることお待ちをしている。こういう立場です」と述べました。

 自民党総裁選で立候補を表明している石破茂衆院議員が、二転三転したが「正直・公正」をキャッチフレーズとして掲げ総裁選に臨むということについては、「私が申し上げることもなく、いろんな方が仰っているので、あえて他党の内部選挙に口を出すのは止めておきたいと思う」と話しました。

 安倍総理が昨日、総裁選出馬の表明をした鹿児島県で「薩長で力を合わせて新たな時代を切り開いていきたい」と述べたことについて、「日ごろから1500年の歴史がある中で150年の直近の歴史しか見ない保守が多いという話をしているが、この発言についてどう思うか」と記者から問われると、「我が党にも、鹿島県選出の川内さんという非常に力強い仲間がいますが、一方で我が党の地方議員には福島の人間もいますし、奥羽越列藩同盟の地域だった人間もいます。薩長を強調するというのは我が国を分断するような国全体のリーダーとしては間違った言い方だと思います」と述べました。

若手議員・衆参総支部長に向け講演する枝野代表
都道府県連研修会で話をする福山幹事長
都道府県連研修会の様子
講演する津田大介氏
津田大介の講演を聞く議員ら
全体研修の様子