衆院本会議で20日、立憲民主はじめ5党1会派が提出した安倍内閣不信任決議案が審議され、枝野幸男代表は2時間43分にわたり趣旨弁明を行ないました。また賛成の立場から山内康一国会対策委員長代理が討論を行いました。決議案は、賛成少数で否決されました。
趣旨弁明で枝野代表は、「カジノや恣意的な選挙制度の改悪を災害対応に優先をさせた、その1点をもっても不信任に値する」と強く指摘しました。さらに安倍内閣が不信任に値する理由は枚挙にいとまがないと述べ、その中でも代表的な(1)過労死を増やすことになる、国民の命を危機にさらす高度プロフェッショナル制度を強行(2)カジノ法案を強行(3)アベノミクスの行き詰まり、限界の露呈(4)政治と社会のモラルを崩壊させるモリカケ問題(5)誤魔化し、いい加減な国会答弁の数々、民主主義のはき違え(6)行き詰まる外交と混乱する安全保障政策(7)官僚システムの崩壊――を挙げました。
安倍内閣不信任決議案に対し賛成の立場で討論に立った山内議員は、安倍内閣を信任しない特に重要な理由として、西日本豪雨災害への対応よりもカジノ法案や参院の定数増法案の審議を優先したことを挙げ、(1)やるべきことをやらず、やるべきでないことをやっている点(2)議会民主主義の危機を招いたこと(3)民主主義の根幹にかかわる選挙制度を、党利党略で自民党に有利な形に作り変えたこと(4)過労死を増やしかねない、裁量労働制や高度プロフェッショナル制度の導入を図ったこと(5)金儲けのためなら何でもあり、人を不幸にしても経済を成長させようという卑しい経済政策を続けてきたこと――の5点を指摘。「立憲主義を危機に陥れ、解散権をもてあそび、子どもの貧困を放置し、格差の拡大を助長し、戦後大切にしてきた民主主義と平和主義を蝕(むしば)んできた安倍内閣には即刻退陣いただきたい」と述べ、討論を締めくくりました。