杉尾秀哉参院議員は15日、岡山県倉敷市内に開設された党岡山県連災害対策本部を訪問し、鳥井良輔、高原俊彦両県議らから県内の被災状況の説明を受けました。その後、総社市下原地区、倉敷市真備地区の現地調査を行いました。
総社市では、6日の深夜に冠水による爆発事故が起こったアルミ工場に隣接する下原地区を訪問し、地元の小西利一市議や下原地区町会の災害副本部長から当時の状況などについて話を聞きました。年2回の防災訓練に取り組んでいた下原地区町会が小田川の水位上昇を警戒して夜から注意を呼びかけていた最中、夜23時過ぎにアルミ工場が爆発し、爆風で約200世帯の窓ガラスが破れ、近隣に高温のアルミが飛散し火災が発生しました。2次爆発も懸念されたため、すぐに全世帯で避難所に避難したところ、7日未明に堤防が決壊。浸水による人的被害は避けられたものの、2階にまで及ぶ浸水で何一つ荷物を持ち出せないまま、爆発と洪水の二重被害を受けることになったとの説明を受けました。爆風でスレート壁や窓ガラスが割れ、1階の家財が浸水した家屋の片付けは、多くのボランティアの協力により進んでいますが、壊れた家屋の被害認定や再建の目処に不安を抱く声が寄せられました。古いスレート壁にアスベストが使用されている可能性もあり、防塵マスクの着用などに注意しているとの話もありました。
倉敷市では避難所となっている真備地区の岡田小学校を訪問し、学校長や市の担当職員から避難所の状況について概要を聞きました。400人以上の地域の方が避難し、週末はボランティアの分を含め1000食超の食事が必要だが、被災から1週間が過ぎており、炊き出しなど食事提供に工夫が必要との提案がありました。また、支援物資として集まった衣料を整理し配布しているボランティアからは、猛暑の中で洗濯ができないため、男性用の下着やタオルが急に足りなくなったり、長靴や運動靴もさまざまなサイズの提供が必要だとの指摘がありました。健康管理を担当するリハビリボランティアは、間仕切りが届いたがスタッフ不足で組み立てられなかったとして、同日午後に専門家に区割りを頼み、避難している方にも参加してもらいみんなで組み立てる予定だと語っていました。
真備地区では浸水した家屋を片付け中の家屋を訪問。あるお宅では、2階の天井下35cmまで浸水するなか、母親からの連絡を受け遠方に嫁いだ娘さんが岡山県警に救助を要請、窓枠から乗り出して救援を待った結果、名古屋市消防局のボートで救助されたという話も聞きました。片付けボランティアや廃棄物移送の重機はまだ不足しており、小田川の決壊場所近くの地域では、家屋の片付けや廃棄物の回収に十分な手が回っていない箇所が見受けられました。
最後に中国職業能力開発大学校に設置された倉敷市社会福祉協議会のボランティアセンターを訪問し、安原恭子事務局長からボランティア受け入れの概況を聞きました。日曜日となった15日は倉敷市だけで2000人を超えるボランティアが集まり、被災地家屋の片付けなどを進めることができたこと、同時に熱中症で体調を崩す人も出ており、休憩と水分補給などをしっかり取るよう訴えていきたいとの話がありました。
立憲民主党岡山県連合では、倉敷市内の鳥井良輔県議事務所を対策本部の拠点とし、各都道府県連合や議員などのボランティアの受け入れに取り組む予定です。