参院本会議で27日、2016年度決算外2件が議題となり、会派を代表して風間直樹議員は、2016年度決算と国有財産増減及び現在額総計算書、2016度国有財産無償貸付状況総計算書の是認に反対、内閣に対する警告に賛成の立場で討論に立ちました。
風間議員は、決算外2件の是認に反対する理由として、(1)今回の決算の対象である支出が、異次元金融緩和に基づく事実上の財政ファイナンスにより可能となっていること(2)社会保障改革、財政健全化の取り組みが先送りされ続けていること(3)安倍内閣で行政が法を誠実に執行していないこと――の3点を指摘。財務省の決裁文書改ざんに係る問題とイラク日報に係る問題について、内閣に対して警告する、今般の警告決議には賛成だと表明しました。
風間議員は最後に、財務省による森友学園に対する国有地売却問題と決算文書の改ざん問題をめぐる会計検査院の対応に「政府の内部統制機関である会計検査院は、検査院法を誠実に執行しているのか」「検査院は、内閣から独立を定めた検査院法1条に反し、独立していないのではないか」と問題提起。参院決算委員会では、文書改ざんの見逃しを踏まえ、検査院での検査体制の強化に関する決議を行ったことにも触れ、「検査院は、主権者国民のために、政府の税金使用の在り方を厳しくチェックするという検査院の理念に立脚すること。政府にOBの再就職などでお世話にならず、独立した内部統制機関として検査をすること。損なわれた独立性・信頼性の回復に向けた検査院の努力を、国会でチェックし見守りたい」と述べ、締めくくりました。
本会議では、これに先立ち加藤厚生労働大臣の問責決議案が議題となり、会派を代表して難波奨二議員が賛成の立場から討論に立ちました。
難波議員は、安倍総理が「働き方改革国会」と位置付ける今国会で、加藤厚労大臣は最も重大な責務を負っていると述べた上で、この働き方改革関連法案は、労働基準法、労働契約法、労働者派遣法など8本もの法案の束ね法案として規制強化と規制緩和が混在したものであり、「働く者の視点」に立っているとは到底言えないと批判。法案の根拠である労働時間の調査データの「異常値」発覚による「裁量労働制の拡大」の撤回とともに、現行の裁量労働制の適用労働者に対する健康確保措置の拡充など適正化、規制強化を図るという、本当に必要な改正部分まで法案から削除したことや、「定額働かせ放題」「残業代ゼロ」制度などと言われる高度プロフェッショナル制度の導入、特例水準が過労死ラインを許容する残業時間の上限規制等、同法案の問題点と大臣の不誠実な答弁・対応を挙げ、「法案の責任者である加藤大臣の責任は免れない」と断じました。
採決の結果、2016年度決算外2件は可決、加藤厚生労働大臣の問責決議案は否決されました。