2020年9月15日の結党大会をへて、
新しい立憲民主党へと生まれ変わりました。
新しい立憲民主党のサイトはこちらからご覧ください。

https://cdp-japan.jp/

9月15日、ここからが新しいスタート

ニュース

2018年1月26日

参院本会議で福山幹事長が代表質問

このエントリーをはてなブックマークに追加

 参院本会議で1月26日、安倍総理の施政方針演説など政府4演説に対する代表質問が行われ、立憲民主党を代表して福山哲郎幹事長が質問に立ちました。質問原稿全文は以下の通りです。

<はじめに>

 立憲民主党の福山哲郎です。

会派を代表して、総理に対して質問いたします。
草津白根山の噴火によって、亡くなられた自衛官に心から哀悼の意を表します。

 <立憲民主党>

 さて、立憲民主党は、総選挙公示日のわずか1週間前に結党したにもかかわらず、「このままでは選択肢がない、何とかして欲しい」という国民の声に支えられ、望外の約1100万票というご支援を賜りました。

選挙戦を通じて訴えた、立憲主義を守り、草の根からの「まっとうな政治」を取り戻すため、嬉しいことに、この通常国会から参議院においても、(蓮舫さん、江崎さん、風間さん、有田さん、川田さんという)5名の一騎当千の強者に仲間に加わっていただき、新しい会派としてスタートすることになりました。どうか、よろしくお願いいたします。

 私たちは新しい綱領を策定し、「多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う社会」「日々の暮らしや働く現場の声を立脚点とするボトムアップの政治」の実現を謳っています。

そして、いち早く「立憲民主党 つながる本部」を立ち上げました。。

全国には、待機児童、子どもの貧困、障害者、LGBT、SDGs、エネルギー等々、あらゆる課題に向き合い、活動している多くのNPO、NGOなど団体、個人がいらっしゃいます。これらの人々と積極的につながり、現場の声を継続的に受け止め、市民と協働の場を展開していきたいと考えています。

 時間が限られていますので、課題を絞って質問させていただきます。

 <安全保障>

 北朝鮮による核・ミサイル開発は、深刻な脅威であり、到底容認できません。私たちは専守防衛のもと、現実的な安全保障政策を推進します。

 一方、最近、安倍政権では、突然長射程巡航ミサイルの導入を決め、護衛艦「いずも」の空母化案が浮上しています。この動きは、歴代の自民党政権を含めて積み重ねてきた「専守防衛」を逸脱する懸念があると言わざるを得ません。

これまで、政府は「長距離戦略爆撃機あるいは攻撃型空母を保有することはできない」、「必要最小限度」と答弁してきました。今回、政府は「敵基地攻撃能力を目的とするものではない」と説明していますが、問題なのは目的の有無ではなく、実際の能力であり、最小限度を逸脱すると考えられます。これまでの答弁との整合性についてお答えください。。

一方で、概算要求になかった装備が、突然予算案に盛り込まれたことは極めて異例です。どうしてですか。中期防には入っているのでしょうか。

 「長射程巡航ミサイル」を「スタンド・オフ・ミサイル」と防衛省はあえて説明していますが、先の総選挙でも自民党はこの問題に触れておらず、国民の目をごまかそうとしているのは明らかです。

また、配備は5~7年後になるといいます。本当に現下の島しょ防衛の充実を目指すのであれば、海上保安庁の装備の充実、人員確保、領域警備法の制定の方が急務だと考えますが、見解をお聞かせください。

 そして、結果として日米同盟における「矛」と「盾」の関係も変質しようとしています。国際社会の理解を得られず、無用の緊張と懸念を与えることになります。こちらが「緊張を与えない」といくら主張しても国際政治ではあまり意味がありません。

そんなさ中、昨年の8月、わが国航空自衛隊の戦闘機が米空軍戦略爆撃機B52と共同訓練をしていたことが明らかになりました。B52は核兵器搭載可能な爆撃機です。。

北朝鮮に対する抑止力が必要という考え方は理解しているつもりですが、唯一の被爆国であり、非核三原則を持つわが国が米国と核攻撃までともに行動するつもりなのでしょうか。それは、最小限度を超えていないのか。お答えください。

また、米国が核兵器の所在を明らかにしないNCND政策が原則であることは承知の上ですが、その時のB52の核の搭載の有無についてもお答えください。また、防護の任務は付与されていたのでしょうか。その場合、アメリカからの要請はあったのか。さらにNSCは開催されたのでしょうか。
総理が明らかにされたようにB-1Bとの訓練は、度々公表してきたのに、なぜB52の場合は即時かつ適切に公表しなかったのか。理由をお答えください。

 総理と防衛大臣は「専守防衛はいささかも変わらない」と繰り返すものの、実態は変質しつつあります。

安倍政権は安保法制に続いて、立憲主義をないがしろにし、なし崩し的に専守防衛を変えようとしています。

安倍総理の考える専守防衛とは何なのか。さらに敵基地攻撃能力についてどうお考えでしょうか。

 一方、沖縄では在日米軍ヘリの墜落・不時着事故が相次いでいます。今月に入ってすでに3件、異常事態です。

普天間第二小学校の上空を、米軍のヘリコプター3機が飛行したか否か、政府と米国側の主張は真っ向から対立しています。
事実は一つなのに、なぜこのような事態が起こるのでしょうか。

沖縄の皆さんの、不安と怒りは想像にあまりあります。

主権国家として、矜持ある対応を求めますが、総理の見解を伺います。

 <森友学園問題>

 昨年11月、森友学園への国有地売却問題で、会計検査院の検査結果が公表されました。この検査は、本院予算委員会で、与野党が全会一致で会計検査院に求めたものです。

報告書によれば、売却について、合規性、経済性等から適切とは認められない、ゴミの量や撤去費用も根拠が確認できない、文書管理についても会計経理の妥当性について検証を行えないと指摘されています。

政府は「法令に基づき適切に処理した」と繰り返してきましたが、まさに野党が指摘してきた通りの結果となりました。

また、売却交渉の音声データも出てきており、「価格の交渉はしていない」という当時の佐川局長の答弁が虚偽である疑いが濃厚です。

いわば、安倍総理をはじめ政府のこれまでの国会での説明が、説得力も根拠も乏しく、何の説明にもなっていなかったということです。

総理、この指摘は野党でも何でもなく、参議院議長に提出された会計検査院からのものです。これからどうするか、ではなく、この森友問題の責任の所在はどこにあるのか。お答えください。

昭恵夫人の関与も今だに強く疑われています。まずは総理自ら国民に謝罪するべきではないですか。そして、この報告書の結果、どのように責任を取るおつもりでしょうか。

 今年になって、驚くべきことに財務省から交渉関連文書なるものが出てきました。

会計検査院に確認したところ、参議院議長に報告する、なんと前日に、財務省から当該記録があったとの連絡が入ったそうです。検査中に記録を提出せず、アリバイのように報告前日に連絡するという極めて不誠実な対応です。

このやりとりをどう思われますか。

 総理、これでも佐川長官人事を適材適所と強弁を募るつもりですか。

私は、佐川長官も総理と昭恵夫人への忖度で被害を被った一人と考えますが、それでも長官にはふさわしくありません。更迭を求めます。

 <原発・エネルギー政策>

 安倍政権は、原子力と石炭火力を「ベースロード電源」とし、2030年原子力は20%台と、震災発生前とほとんど変わっていません。「徐々に低減していく」という総理の発言は実態とは異なっています。過度な石炭依存もパリ協定に逆行しています。

民主党政権が導入したFITにより、震災後6年間の再生可能エネルギーの拡大はめざましく、2010年度に9%だったものが、2016年度には15%まで伸びており、稼働率を勘案しても原発約20基分の再生可能エネルギーの設備認定がされています。

震災直後は一時的に増えたCO2も、原発稼働がほぼゼロだったにもかかわらず現在は減少しています。アップル、グーグルなどの世界の大企業や自治体は、次々と「再生可能エネルギー100%」という野心的な宣言をし始めています。原発ゼロはもはやリアリズムです。こういった動きをどう評価されますか。今の政府の姿勢とは異なる、積極的な後押しを求められていると考えますが、如何でしょうか。

 私たちは、「原発ゼロ基本法」を3月に提出する予定です。

総理は、特別国会で枝野代表に「原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えません」と答弁されました。

先般、小泉、細川両元総理が参加されている、いわゆる「原自連」とも意見交換をさせていただきました。わが党の菅元総理も含めて、党派を超えて、3人の元総理が原発ゼロを訴えていることに対して、総理はそれでも無責任だと言い放つのでしょうか。

世界の潮流にも福島の厳しい現実にも廃炉や使用済み核燃料処理にも目をつむり、原発再稼働に突き進む姿勢こそが無責任だと考えますが、いかがでしょうか。

 <働き方改革>

働き方改革について伺います。

政府案の時間外労働の上限規制「月100時間」は過労死ラインを大きく超えるもので、過労死容認法案になりかねません。

私たちが検討している対案においては、いわゆるインターバル規制の導入も提案していくつもりです。見解を求めます。

 <むすび>

昨年12月時点では、共謀罪に基づく任意捜査・強制捜査はともにゼロでしたが、不当な人権侵害が発生する前に、この法律を廃止するべきと考えます。すでに「共謀罪廃止法案」を提出しています。

さらに、多様性ある社会を目指して、LGBT差別解消法案、夫婦別姓の選択を可能とする民法改正案、手話言語法案、農業者戸別所得補償法案などを今国会に提出する予定です。各党各会派のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 日本の政治に対する信頼を取り戻し、内政、外交、ともにビジョンを提示し、徹底的に国民とつながる新しい政党のあり方を模索していく決意です。春頃には党員に代わる「立憲パートナーシップメンバー制度」を創設し、国民に広く呼びかけていくつもりです。

試行錯誤の繰り返しかもしれませんが、草の根から、日本の政治に大きな一石を投じられるよう、懸命に努めて参ることをお約束し、質問を終わります。

ご静聴ありがとうございました。

福山哲郎議員 代表質問原稿