2019年3月12日
イチオシ候補予定者、どうやって協力できる? 「パートナーズ選対東京」、初主催のイベント「選挙を知ろう」リポート
地域の議員を応援したいけど、どうやって選挙や政治活動に協力できるんだろう―?そんな立憲民主党パートナーズの“モヤモヤ”に応えようと、2月9日、学習会「選挙を知ろう」が東京都内で開かれた。パートナーズ有志のチーム「パートナーズ選対東京」が中心となって主催した。
パートナーズ選対東京は、昨年2回にわたって開催された「パートナーズひろば」で結成された。「ボトムアップの政治を実現するには、まずはその窓口になる立憲民主党の自治体議員を増やさなければ」との考えから、協力したいパートナーズと公認内定候補者の橋渡しになり、パートナーズ参加型の新しい選挙戦の形をつくろうと活動している。
今回のイベントは、パートナーズ選対主催イベントの記念すべき第1回目。当日は粉雪が舞う寒空にもかかわらず、パートナーズ80人ほどが参加した。立憲民主党東京都連合の協力により、都内の現職自治体議員や公認内定候補者も20人ほど駆け付けた。
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「パートナーズ選対」の生い立ち
まずは、パートナーズ選対東京が誕生した「パートナーズひろば」についておさらいしよう。政治家と市民が対等につながって話し合い、行動を起こすプラットフォームとしてスタートした「立憲パートナーズ」。政党の応援団としての「サポーター」と違い、対等な仲間として政治に参加しよう、という仕組みだ。
市民の意見を議員に届けるだけでなく、具体的に政治を通して何ができるのかを考える場をつくりたい。そんな思いでパートナーズの有志が実行委員会となって始めたのが、「パートナーズひろば」。そこから出たアイディアの一つが、「パートナーズ選対東京」だ。
イベント冒頭には、主催者である「パートナーズ選対東京」の代表をつとめるパートナーズが今回の学習会の趣旨を説明し、熱い思いを語った。
“これまでパートナーズは立憲カフェやタウンミーティングで、議員と対等な立場で話をすることはありました。ただ、もっと双方向的に政治に関わってみたかった。地域での選挙活動に関わることで、政治に参加できるのではと思い、今回のイベントが生まれました。すべてパートナーズが企画し、入念に準備してきました。ぜひ自分に何ができるか、考えていってほしい。”
選挙協力経験者のリアルな体験談を聞こう!
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プログラムではまず、選挙協力経験が豊富なパートナーズ、通称「スーパー選挙ボランティア」が選挙期間中の活動を紹介。たとえば有権者への電話掛け、街頭演説への参加、証紙ビラ配り、告示日のポスター貼りなど、どんなボランティアができるのかを説明した。
「12本の電話が1票につながる、と言われている。私も苦手だけど、“ガチャ切り”にめげず、かけ続けてます」「“ビラ配りの極意”は、遠くから受け取ってもらう人に狙いを定めること。公認内定候補者をちらちら見ている人は、きっと興味がある」「告示の時刻に、一番乗りで公設掲示板にポスターを貼ると目立つ。掲示板前で待ち構える」などなど、エピソードを次々披露した。
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次のプログラムは菅直人立憲民主党最高顧問と落合貴之衆院議員、公職選挙法に詳しい弁護士が会場からの質問に答える「円座トーク」。
「自分が住んでいない地域で選挙活動を手伝ってもいいの?」という質問に対し、菅最高顧問は「もちろん大丈夫」とした上で、「ポスターを貼った人に、政治家はとても義理を感じるもの。自分の地域の政治家を応援すると、距離が一気に近づく」と、政治家と市民が一緒に成長していくという視点も示した。
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初めての“ピンポン”体験
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最後のプログラムは、政治活動としてお宅を訪問し、政党ポスター掲示やイベントへの参加をお願いする、 “ピンポン活動”のロールプレイング。
既に“ピンポン活動”を地域で実践しているパートナーズが講師役を務めた。「相手の話を聞き、興味のありそうなポイントから話題を広げる」などとコツを説明した上で、訪問する側とされる側の二手に分かれて、10分間のうちに3軒(3人)を訪問。ポスターを貼るなど成果の順にポイントが加算されるゲーム形式で進めた。
参加したパートナーズのほとんどが、ピンポン活動は初めて。和気あいあいとした雰囲気の中で、訪問先の心を開こうと試行錯誤した。
実践的な内容に高い評価
最後に参加者と現職議員・公認内定候補者の交流タイムを1時間とり、イベントは終了。午後2時から6時までの長丁場だったが、1つのプログラムが最大30分ほどとテンポ良く進んだため、あっという間のお開きとなった。
参加したパートナーズからは、「スーパー選挙ボランティア」のプレゼン、“ピンポン活動”のロールプレイングといった、実践的なプログラムに満足度が高かった。感想は以下の通り。
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“立憲民主党を支援している方の生の声を聞くことができ、大変良い経験になった。”
“ボランティアは意外と幅広いと分かった。”
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“パートナーズの方だけでこれだけの会をやっていただけることはすごいと思いましたし、ありがたかったです。選挙にどう関わって良いかわからない方にはとても役に立つと思いますし、私も大変ためになりました。”
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“成功した選挙活動の方法、あるいは失敗のエピソードからの注意すべき点などについてもっと知りたいなと思いました。”
都連との協力で議員の“素顔”が見えた!
パートナーズ選対の結成からイベントまで2カ月。この短い期間で、中心となったパートナーズはどんな準備をしたのだろうか。
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“パートナーズのほとんどは仕事を持っているし、住んでいる所もばらばら。だから、SNSのLINEでグループを作り、連絡を取り合って準備してきました。”
“パートナーズ選対のメンバー立憲民主党東京都連所属の自治体議員にコンタクトをとり、都連の協力を得られたのが、イベントを充実させる鍵だったと思う。公認内定候補者がイベントに参加してパートナーズと実際に話をすることで、具体的なアクションを促せた。パートナーズと政党が一緒になってイベントをつくりあげ、政治家と市民の距離を近づけられたと思う。”
想定以上の反響に驚き―政治への関心、私だけじゃない
学習会の運営を終えたパートナーズから寄せられた感想は以下のとおり。予想以上に参加申し込みが多かったり、実際にパートナーズが集結した場を目の当たりにして、「自分は一人じゃない」と実感できたようだ。
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“参加申し込みはもっと少ないと思っていたが、ふたを開けてみたら100人満員御礼だった。思いのほか反響があって驚いたし、嬉しかった”
“これまでも個別に選挙ボランティアがつながる機会はあったが、これほど大がかりなのは初めてで、パートナーズの横のつながりを実感できた”
“こんなに政治、選挙に関心のある人がいるんだ!と熱量を感じた”
政治家とパートナーズの架け橋に期待
イベントには15人ほどの公認内定候補者、現役議員が参加した。感想を聞いた。
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“うすい愛子:北区で初めての政治活動に取り組んでいます。今は友人にボランティアしてもらっていますが、その友人は選挙区が地元でないので、北区へ長時間かけて足を運んでもらっていて、今後も続けられるか不安です。今回のイベントのように、パートナーズの方たちとお話できるのは貴重な機会です”
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“平野はるもち:大田区で政治活動中です。公職選挙法にもとづく選挙活動についてのお話は、知識を再確認する上でもありがたいです。政治活動としての”ピンポン活動“のロールプレイングは、実践的でおもしろい試みですね。”
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“中島めぐみ:今日のイベントを参考に、今後は地元の台東区で、政治ボランティア活動の勉強会をしてみたいです。わたしは今、女性の視点を取り入れた安心・安全なまちづくりを進めたいと思っているのですが、ボランティア活動のコミュニティは、被災時に力を発揮する横のつながりにもなるはずです。”
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“沢田けいじ:今年から本格的に、文京区で政治活動を始めました。パートナーズの皆さんは、政治について我々公認内定候補者と同じ方向性の思いを持っています。政治活動が初めてのわたしたちは、こういったイベントでパートナーズさんとお話しして、思いを効果的に伝えることが、街頭演説などの現場でも役立つと思います。”
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パートナーズ選対東京は今後も、公認内定候補者とパートナーズの橋渡しとなる活動を展開していく。まずは、多くのパートナーズに参画してもらうための普及活動として、パートナーズにどのような手伝いができるかなどをまとめたホームページを開設した。今後は、ボランティア希望者からどの候補(予定)者のもとに参加すればよいか問い合わせがあった際に、その人にとってアクセスしやすい候補(予定)者を提案するなどの案内役となることも視野に入れて、活動方針を検討している。