衆院厚生労働委員会で19日閉会中審査が行われ、「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」から小川淳也、白石洋一、柚木道義各議員が質問に立ち、新型コロナウイルスの感染が広がるなか、憲法53条に基づき臨時国会を早急に開くようあらためて訴えました(写真上は、質問に立つ小川議員)。

 小川議員は、感染拡大の状況をめぐり、(1)6月以降の感染拡大は第2波か(2)旧基準と新基準の関係(3)世田谷区や長崎市の取り組み――等について取り上げ、加藤厚労大臣の認識をただしました。

 小川議員は、政府が現在の感染状況を「第2波」だと認めようとしないことに、「定義の中核から政府が逃げていることが問題の根本にある。あたかも無為無策のまま感染だけが拡大していると言わざるを得ない現在の状況の根本責任は、政府のその姿勢にある」と指摘。その上で、新型コロナウイルスの感染状況を判断する基準を国の分科会が8月7日、これまで4指標、3段階だった警戒度を7指標・4段階に改定し、大幅に基準を緩和した理由を尋ねました。

 分科会の責任者であり、独立行政法人地域医療機能推進機構の尾身茂・理事長は、「感染状況は日々変わっている。感染状況によってさまざまな対応を変化させていかなければならないのは、公衆衛生感染症対策の基本」だと述べ、各都道府県知事がリーダーシップを発揮し、それを尊重しているなかで、国としての基本的な考え方、指標を出すのが責任だと思い示したものだと説明しました。

 小川議員は、「基準に合わせて感染状況を抑え込むべきところ、現状を追認、追従した基準となりゴールポストが動く。政治的な思惑、パフォーマンスが先行し、その影で客観的な感染状況や、国民の健康に関わることが後回しにされている印象を受ける。基準緩和も疑問だが、動かした基準にもかかわらず措置を講じようとしない」と政府の対応を批判。病床の使用率や10万人あたりの療養者数、検査の陽性率などで(8月7日に示した)「ステージ4」の基準を超えている沖縄県に対し、緊急事態宣言を発令すべきではないかと迫りました。

 これに対し加藤厚労大臣は、「専門家の意見を聞きながら、必要な場合には判断していく。沖縄の状況はわれわれも懸念しているところ」だと答えるにとどまりました。

 小川議員はまた、内閣府が18日に発表した今年4-6月期のGDP(国内総生産)の実質伸び率が、年率換算でマイナス27.8%だったことにも触れ、「簡単には自粛要請できないのも理解はしているが、ではどうするかが今の政府にはない。検査の徹底拡大しかない」と、検査拡大の必要性を強調。「1日数千件から始まり数万件まで来ているが、検査の基本哲学が変わっていないことが問題。沖縄では市中感染、経路不明者が7割、東京も6割というなかで、症状のある方と接触のある方を追いかけるという基本戦略自体がいまの状況に照らして間違っているのではないか。簡単に自粛要請できないのであれば、いつでも、誰でも、どこでも、何度でもできるよう検査を大幅に拡大し、その上で経済社会活動をある程度再開していく方向しかないのではないか」と強く要請しました。

 あわせて、PCR検査を大幅に拡充し、「社会的検査」という発想で介護や保育、医療関係者ら社会機能の維持に必要な職業従事者らを定期的に検査していく「世田谷モデル」や、発熱やコロナを疑う呼吸器症状がなくても、体調が悪いなど感染が疑われる場合は医師が総合的に判断し検査が受けられる「長崎モデル」、小笠原諸島への定期船でのPCR検査の試行など独自の取り組みを例に挙げ、こうした自助努力を国として牽引してもらいたいと求めました。

 柚木議員は、沖縄県の現在の感染状況は、新たな指標で最も深刻な、「緊急事態宣言などの強制性のある対応を検討せざるを得ない」とするステージ4にあたり、尾身理事長も「ステージ4は間違いなく国の役割」と強調していることから、「国やGoToトラベルキャンペーンの対象から沖縄県を外すべきではないか」と述べ、尾身理事長の見解を尋ねました。

 尾身理事長は、現在の沖縄県の状況について「感染者数は多く、病院の医療も逼迫しており、いろいろな負荷がかかっているのは事実だ」と述べ、玉城県知事が県独自の緊急事態宣言を出したことを「英断であり、尊重したい」と評価。その上で、GoToトラベルキャンペーンの対象から沖縄県を外すことには、玉城知事のリーダーシップで県民に不要不急の外出自粛の徹底などの行動を求め、来県についても慎重な行動を求めていることなどを踏まえ、「沖縄は県の皆さんの努力のおかげで実行再生産数が1を下回りつつある。東京都を例外としたときには、(1)当時の感染のレベルは、いわば別格であったこと(2)多くの例が東京都から感染が伝播していたこと(3)東京の人流の量が圧倒的に多いこと――の3つをもって東京は例外にした方がいいと言った。(沖縄県を例外とすることは)分科会としても議論しておらず、政府からも諮問は受けていないが、個人的な見解ではある程度沖縄の感染が下火になっているというのがわれわれの理解だ」と答えました。

 柚木議員はこのほか、政府に対し「いわゆるコロナ手当(1人あたり上限20万円の慰労金を国から給付)が少しでも早く、確実に医療・介護・福祉従事者に支給されるよう必要な対応をしてもらいたい」「通知発出後の施設クラスター発生状況も踏まえた施設従事者の公費検査拡充を進めてもらいたい」「病院内感染や介護福祉施設内感染防止のため、より積極的な医療・介護・福祉施設従事者への公費検査助成を進めてもらいたい」などと求めました。