福山哲郎幹事長は国民民主党との合流協議で5日午後、新しい党名については投票での決定とする考えを表明。代表選挙で代表候補者が提起し、有権者は代表者名と党名を連記する方式で決める案を国民民主党の平野博文幹事長に提示したと述べました。国会内で記者団の取材に答えました。

 福山幹事長は、「両幹事長間の協議は決して膠着状態ではなく、一定程度、綱領や規約、代表選規定についてそれぞれ作業を進めてきている。党名決定の民主的な方法についてもいくつか案を出し、議論を積み重ねてきた」と強調。一方で、「最も重要な代表選挙の実施に当たっては、まず新党にご参加をいただく国会議員を確定しなければ代表選挙の有権者は特定できない。代表選挙の有権者を確定するためには、綱領と規約を確定し、提示をすることで、新党への参加の意思表示をしていただかなければいけない」と述べ、代表選挙の投票の環境を整えるためには新党参加者、つまり代表選挙有権者を確定する必要があり、綱領や規約が決まっていないことを理由に新党への参加を判断しかねるといったことを避ける必要があるとの考えを示しました。また、新党への呼びかけに関しては、立憲、国民両党のみならず、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」や無所属フォーラム、その他無所属議員の皆さんを対象と考えていると述べました。

 その上で、代表選挙の段取りについて、有権者すなわち新党の参加者が確定した後、結党大会の前に代表選挙を実施することになるとして、「誰が新党の代表に立候補されるのかについて想定はできないが、立候補者には所信に加えて党名も掲げて、選挙戦を戦っていただくことにしたい。代表選挙の立候補者には、新党の進んで行く道と、安倍政権への対抗軸・考え方を示していただき、加えて立候補者が考える党名を提起していただきたいと思っている」と述べました。投票用紙には、代表者名と党名をそれぞれ記入する一票連記方式、自由記載とする方針を示し、「一般的には代表名と、その代表候補が主張した党名はセットで記入されることになると思われるが、なかには例えば代表名はAと記入しながら、党名については空白もあり得るだろう。その逆の場合もあるだろうし、いろいろな場合が考えられる。極めて民主的な投票方法であり、『代表選挙は国会議員の投票で決める』という両党の確認事項にも合致する内容となっている」と説明。「これで7月15日に立憲民主党から国民民主党に申し入れをした一連の課題について、全ての条件が満たされることになる。私としては、連休も使いながら来週の11日までに綱領や規約、代表選挙規定を幹事長と政調会長間で確定をさせ、新党設立について実質合意できる環境を整えていきたいと考えている。そして環境が整い次第、綱領や規約を提示することで、新党へ参加をいただく皆さんへの呼びかけを始めたい」と表明。その後の日程については、平野幹事長と協議を重ねているところだと述べるにとどめました。

 「投票方式について実際に決断をしたのはいつ頃か」との質問には、「ずっと話を続けているので平野幹事長には別の案も提示をしている。結果として決断に至ったのは、この数日と考えていただいて結構」とコメント。「代表選挙の有権者は国会議員に限られるのか」との問いには、「今回の代表選挙については、国会議員に限られると思っている」とした上で、「お互いのサポーターや役員、パートナーの制度も違い、ましてやこういう状況で2党だけでやるわけではなく、無所属の皆さんもやるわけであり、非常にバランスが取れなくなる。国会議員だということを2党で賛同したので、それ以上でもそれ以下でもない」と答え、今回の合流協議に地方議員等が参加できないという点については、「私も全国幹事長会議をオンラインで開き、お詫びを申し上げた。だからといってこういった両党間の協議のような、ある意味で非常に神経質な問題について、全てを開示して交渉を進めるのは基本的には難しい。地方議員の皆さんには、極めて申し訳なく思っているが、事情は理解をしていただきたいと申し上げている」と述べました。