福山哲郎幹事長は9日、同日の東京都の新型コロナウイルス新規感染者数が過去最多の224名となったことを受け、記者団の取材に応じました。
福山幹事長は冒頭、九州など豪雨災害の被害が広がっていることに、政府に迅速な対応を求めるとともに、週末以降も長雨が予想されることから注意を呼びかけました。
東京都の新規感染者数が過去最多となったことについて、「非常に憂慮している。これまで何度も申し上げていたように、100人以上の感染者が出ているにもかかわらず、東京都並びに国は、ほとんど何もしてこなかったに等しい」と対応を批判。緊急事態宣言を発令したときと近い数になっているとして、国と都に対策を講じるよう強く求めるとともに、来週開会予定の予算委員会で国民に向け説明するよう安倍総理大臣と加藤厚労大臣の出席を求めました。
記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
Q:具体的にどのような対策を国と東京都に求めていくか
まずPCR検査の速やかな拡大は、これまで申し上げている通りでございます。
それから「夜の街」等に対して、非常にいま悪者扱いをしていますが、現実にはいま自粛要請が解除されている段階ですので、国や都はどのような形の補償ができるのかを伝えなければ、国民は経済も生活もあるわけですから、自主的に経済活動をストップするわけにはいかない。そういった事態を鑑みて、都や国は、いち早く対策を講じなければならない。
それから政府の専門家会議を廃止していなければ、この事態で緊急に議論等を進めていただいていたはずですが、新たな形の会議になり、これがどういう役割を今後果たしていくのか全く見えません。政府として、どのように受け入れ、どのように政策に移していくのか、今のところ全く見えません。そういう関係性。
感染拡大の状況について、予算委員会で総理や厚労大臣に、国民に説明していただくのは当然のこと。そのことを強く求めたい。
Q:今後も感染が拡大していく可能性がある中、予算委員会以外の委員会の開催や秋の臨時国会などについてどう考えているか
まず足元の224人の感染者数をどのように捉えるか、どのように分析するか全く分かりません。ですからまずは足元。来週の予算委員会に向けて厚労大臣や総理の出席を求める。これは当たり前のことだと思います。それは野党が求めるからやる、出てくるのではなく、総理自ら、厚労大臣自ら、この状況を国民に説明する責任があると考えます。だからこそ予算委員会の出席を要求したい。
その他の各委員会で、どのような形の審議にしていくかは、国対ともこの状況を鑑みて、相談をしながら進めていきたい。
Q:党所属議員が地元に帰ることなどについて、どのような対応を行っているか
今のところ、国自身が何ら自粛要請等していない状況ですので、一般的に言えば地元に帰る等についての制限は、党としてはする必要はないと考えております。一方で、この東京の感染がさらなる拡大をした時に、自主的にどう判断するかについては推移を見守りたい。
また、豪雨災害の被害が出ていますので、地元の災害の被災状況等を確認して国に上げる。この間の立憲民主党の第1回対策本部でも現場の声が入ってくる。やはり現場の声は、中央の役所に地元の自治体等から入ってくるものとは違う、別の情報、必要な情報も多々ありますので、そういったことも含めて、感染拡大に留意しながら、特に豪雨災害等については、地元の議員には現地の情報を伝えていただくことも必要なことではないか。
Q:東京都が移動自粛を要請している一方、国では移動が自由となっている。こうした都と国との対応の齟齬についてどう考えているか
大問題で、都の考え方と国が自粛要請をしないことにズレがあれば、当然、都民も混乱します。
また、東京都周辺の各自治体の知事等からは、東京からの移動、東京への移動等について自粛要請をしています。しかし、知事の自粛要請等、国がどう受け止めているかについて、安倍政権はまったく何も言っていない。
思いつきのように、学校の一斉休校をしたり、専門家会議の話とは違う話をしたり、3月終わりから4月にかけて結構あったわけですが、今回に関していえは、感染が広がっているのにほとんど何も発しないことについて、非常に無責任さを感じざるを得ない。
少なくとも東京都と国で対策の平仄ぐらいは合わせてもらわないと、都民も国民も非常に混乱すると言わざるを得ません。
Q:地元に帰ることとは別に、他県への視察などの対応について、再検討する考えはあるか
特に豪雨災害については、現地の復旧作業や救出作業を妨げるような形で視察することは極力控えるべきだと思います。それはコロナかコロナではないかとは別の次元で、少なくとも現地に対して迷惑をかけるような視察は避けるべき。
一方で、地元の議員がその土地土地の状況を分かりながら、メディアの方を一緒に連れて行くわけではない状況で、現場を走り回って状況を把握することは、国会議員の役割として必要なことではないか。
そういった点のバランスを考えでいきたいと思う。
Q:菅官房長官が会見で「直ちに緊急事態宣言を発出する状況ではない」と発言し、明日からのイベントの制限緩和も、このまま行うことを示したが、これについてどう考えているか
イベントの緩和も、新しい会議が緩和を決めたことについても、感染者が広がる中で、国民はどう判断していいのか、非常に難しいと思います。
また、イベント関連の皆さんからすれば、経済活動・イベント活動と感染拡大防止をどうバランス取るか悩まれていると思います。
だからこそ、専門家の科学的な根拠と、さらに言えば補償措置を伴った形での自粛要請をしないとなれば、別の対策なり別の考え方なりを明確に示していただかないと、国民は混乱する。
先ほど申し上げたように、強く国並びに都に対して専門的な見地も含めて対策を早く講じていただきたい。
Q:河井夫妻について、安倍総理が「党として説明責任を果たしていく必要がある」と発言し、二階幹事長に質問をすると林幹事長代理が質問を打ち切ったということがあった。こうした姿勢についての受けとめを
安倍総理自身が説明をすると言ってもまったく今まで説明をしてこなかった。党としての1億5000万の資金の問題、さらには逮捕。自らが任命した法務大臣が逮捕されるという大変大きな事件が起こっているにもかかわらず、積極的に説明する姿勢とは考えられない。
次の予算委員会は、コロナの問題と豪雨災害の問題が主たるテーマになると思いますが、当然このことも一定の説明は必要になると思います。安倍政権と自民党の不誠実な対応、われわれは議員辞職を求めていますし、自民党にも議員辞職を促すよう求めていますが、何もしないというのが実態。
Q:東京都の感染者数について「状況が変わった」とは、第2波を懸念しているということか
第2波かどうかについて、私は専門家で科学者でもないので何とも言いようがありませんが、少なくとも先ほどご覧いただいたグラフを見る限りは、緊急事態宣言を出している時点の状況を考えると、これは一定の広がりがある。
ましてや、これまで対策をしていないわけですから、いま対策をしても2週間にわたり感染が広がる可能性があり、そのことについて強く懸念している。