参院内閣委員会で9日閉会中審査が開かれ、共同会派「立憲・国民.新緑風会・社民」から質問に立った岸真紀子議員は、(1)7月3日からの豪雨災害(2)コロナウイルス感染症対策(3)専門家会議(4)DV等女性相談支援(5)保健所と保健所未設置市町村との情報提供・共有体制(6)国家公務員(非正規職員含む)のコロナ感染症にかかる公務災害の認定――等について取り上げ、政府の見解をただしました。
豪雨災害について、政府は5日に対策本部を設置しプッシュ型の支援を行っているとしていることから、現段階で考えている具体的な支援内容を確認。コロナ禍における複合災害対策としての準備状況を尋ねるとともに、災害時における義援金等の差し押さえ禁止のための恒久的な法整備を求めました。
また、自治体職員や医療関係者、インフラ整備関係者、ボランティア等、豪雨災害地域に復旧・復興のために他都道府県から支援に入る際のPCR検査の実施等による健康チェックの徹底を要請。「応援に入る自治体職員からも『もし自分が行ってクラスター感染を招いたらどうしよう』『応援に行っているのに被災地の方に嫌がられるのではないか』といった不安の声が上がっている。支援、受援する双方にとってメンタル面を含めた安全確保が必要だと考える」と指摘しました。
これに対して平副大臣は、「派遣する自治体職員などは日頃から感染症対策や健康管理に万全を期している」「政府のさまざまな組織が被災地に入るが、主体たる組織が責任をもって症状のない方、健康な方を入れることを実施している。ボランティアについては、全国社会福祉協議会が地域の社協に対して地元の意向に配慮した募集範囲の設定や、ボランティアの健康状態の告知等の対応を徹底するよう通知している」などと答弁。PCR検査の実施については、「全員に検査をしてから入れるという状況にあるという認識はしていない」と述べたため、岸議員は「(支援者が)安心して入れる体制にするためには、PCR検査が全ての人に必要ではないかと考えている」と重ねて求めました。
また、コロナ禍でDVの増加・深刻化が問題となるなか、内閣府がDV等の女性相談支援のために電話・メールを24時間受け付ける「DV相談+(プラス)」を開始したことを評価し、長期化した場合にも引き続き対応してほしいと要望。一方で、受け付け、整理した後、各自治体の現場対応となり、具体的な支援策が必要な場合に対応する婦人相談員に対しては厚生労働省から通知があったのみで、現場では全体像を把握でできていなかったとして、「こうしたことは省庁を越えて連携をし、きちんと通知を出すべきだったと考える。良い取り組みであり、検証した上でさらにつなげていってもらいたい」と指摘しました。
加えて、専門職であるにもかかわらず、ほとんどが非正規で低賃金という実態にある婦人相談員に対し、「特別定額給付金の確認証発行のための面接や、一時保護施設への入所調整、行政手続きのための同行援護など、いろいろな調整を行っている。感染リスクを抱えながら担う役割は大きい。DVの他に風俗で働いたり、ネットカフェを利用できなくなった若年女性の相談も増えていると聞いている」と述べ、婦人相談員の処遇改善、安定雇用を求めました。