政府・与野党は12日夕、新型コロナウイルス対策政府・与野党連絡協議会の第12回目の会合を国会内で開催。立憲民主党から逢坂誠二政務調査会長が出席しました。
会議の冒頭、各会派からの要望を行い、意見交換を行いました。共同会派「立国社」は、以下の要望を提出しました。
新型コロナウイルス対策等に関する要望事項
2020年6月12日
共同会派 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム(1)今後も毎週、政府与野党連絡協議会を開催すること。
(2)新型コロナウイルス感染症対策予備費の使途を閣議決定する際には、事前に政府与野党連絡協議会にその内容を示すとともに、予算委員会審議を行うこと。また、今後、必要に応じて第三次補正予算を編成すること。
(3)オリンピック関連予算をはじめとする不要不急の既計上予算について見直すこと。
(4)持続化給付金やGo To キャンペーンをはじめとする各種事業の受託事業者の選定過程や事業実施体制・実施状況等について、説明責任を果たすとともに、委託費の削減を図ること。
(5)マスク着用による健康面への影響等について、国民に混乱をきたさないよう周知・広報するとともに、夏季向けに健康への影響の少ない新素材の開発・普及を進めること。
(6)PCR検査については今後も検査能力及び検査実施件数の拡大を図ること。唾液を用いたPCR検査を普及させ、必要な検査キットの供給体制を整備すること。
(7)人格なき社団も含め、課税対象となるあらゆる業種の個人・団体について、分け隔てなく持続化給付金や家賃支援、税の減免、融資等の対象とすること。
(8)自動車関連諸税など各種税や社会保険料等のさらなる減免を行うこと。
(9)地方創生臨時交付金については、その額を5兆円とするとともに、自由度を高くし、交付手続も簡易・迅速なものとすること。
(10)持続化給付金については、給付上限額の大幅増額を行うとともに、支給要件の緩和(現行50%以上の売り上げ減少率を30%以上にする等)を行うこと。また、寄付や雑所得など様々な収入減についても柔軟に事業収入減として認めること。
(11)中小企業等の返済の猶予や返済期間の延長、金利の減免などの条件緩和要望には誠実に対応することを金融機関に求める立法(モラトリアム法)について検討すること。
(12)時限的に公益法人・一般法人等も信用保証制度の対象とするとともに、日本政策金融公庫の新型コロナウイルス感染症特別貸付については中小企業事業(融資上限3億円)の対象とすること。
(13)新しい生活様式の導入に伴い、顧客減や収容人数減などで十分な収入が確保できない事業者や施設所有者に対して様々な支援策を講ずること。
(14)経営環境が悪化している、歯科を含む医療機関等を支えるための新たな給付金を創設すること。
(15)医療崩壊を防ぐためにも、次の流行期のインフルエンザワクチン接種については、希望する全ての人が無償で受けられるようにすること。また、そのために必要なワクチンを確保すること。
(16)保育所や学童保育で働く者に対しても慰労金を支給すること。
(17)認可外保育園について、登園自粛した保護者の保育料の軽減措置を講じること。
(18)移動の自粛により、公共交通機関の経営が極めて厳しい状況にあることに鑑み、需要回復に至るまでの支援策を講ずること。また、事業規模に関わらず、固定資産税や航空機燃料税、着陸料などの減免を行うこと。
(19)活動の縮小や停止を余儀なくされている文化芸術関係者や関連業種従事者への支援について、支援対象を拡大し、予算を大幅増額すること。
(20)特に収入が減少した個人に対して追加給付を行うための費用を計上すること。
(21)児童扶養手当受給者に対して、半年間、児童扶養手当の額(全部支給の額)に相当する額の臨時特別給付金を支給すること。
(22)在外邦人についても特別定額給付金の支給対象とすること。また、在外邦人の生活に支障がないよう、適切な対応を行うこと。
(23)新型コロナウイルス感染症対応休業支援金については、簡便な手続きで速やかに給付するとともに、対象をすべての企業とし、賃金が大きく減少したすべての労働者に対して支給すること。また、失業給付の上限額を遡って15000円程度に引き上げること。
(24)雇用調整助成金については、企業の規模を問わず、減収が著しい事業者については、助成率を10/10とすること。
(25)学校の再開に際して、新しい生活様式の導入に必要十分な教員や指導員などの人材の確保を行うと同時に、必要な備品の確保、施設・設備の改修支援を行い、学びの機会を保障すること。
(26)休校措置の長期化に伴い、受験を迎える子どもたちに不公平が生じないよう配慮すること。
(27)学生支援については、野党提出法案の趣旨を踏まえ、授業料の半額を免除すること。奨学金については、返還が困難な者に対し、今年度分の返還を免除すること。
(28)学生支援緊急給付金支給に関し、留学生だけに課されている成績要件を撤廃すること。
(29)外国人労働者や技能実習生の生活に支障がないよう、適切な対応を行うこと。また、帰国待機中の外国人の在留資格の延長、雇用先・滞在先の確保など十分な配慮を行うこと。
(30)感染リスクを回避するため仮放免された者の生活や医療を支援する措置を、自治体と連携して行うこと。
(31)持続化給付金、雇用調整助成金、無利子無担保融資の手続について簡素で迅速なものとなっているかを検証し、専門家活用などにより早急に改善すること。
終了後、共同会派と共産の出席者が記者団の取材に応じました。逢坂政調会長は、今回の要望事項から次の項目を強調しました。
(1)政府・与野党連絡協議会を今後も毎週開催[要望事項1]
(2)予備費に関して、使途を事前に連絡協議会に示し、予算委員会で審議を行う[要望事項2]
(3)外邦人にも特別定額給付金の支給をするべき、また帰国できない方の生活に支障がないよう適切な対応を行う[要望事項22]
(4)受験を迎える子どもたちに不公平が生じないよう配慮をする[要望事項26]
(5)学生支援給付金に関して、留学生だけに成績要件が課されているのを撤廃[要望事項28]
(6)外国人労働者や技能実習生の職場・実習先がなくなり、帰国もできず、新たな職場・実習先が見つけられないことなど、さまざま課題について適切な対応を行う[要望事項29]
(7)入管施設の感染リスクを回避するため仮放免した方の生活や医療の面での対応[要望事項30]
(8)持続化給付金や家賃支援の支援の対象拡大。人格なき社団、任意団体、ラブホテルなどの業をやっている方など[要望事項7]
(9)持続化給付金について、NPOなど寄付収入で成り立ってるところもあるので、事業収入減だけでなく、寄付収入減も対象に加える[要望事項10]
(10)医療機関、福祉施設への支援[要望事項14など]
今後も連絡協議会を毎週開催することについては、与野党が問題意識を共有し、新たな政策の拡大・拡充につながったことも多く、国会では与野党のさまざまな対立があるなか、コロナ対策に関しては、国会のそうした状況とは別に真摯に前向きに取り組んでいくため説明しました。
また、医療機関、福祉施設への支援については、与党も問題意識は持ってる話があったが具体的な対策・対応はないとして、具体的な対応を求めました。
記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下のとおりです。
Q:1番と2番、政府側からの回答はどうだったか、自民、公明、維新はどういった発言をしていたか
国対で始まってるものなので国対の協議も合わせつつ、私と西村副長官で協議していきましょうというのが結論です。
維新さんからは、政府・与野党連絡協議会の今後のあり方について、詳細は承知しておりませんが、特別委員会の設置を求めているようですので、それとの関連で、維新さんからどうすのかという質問があった。
ただ私と西村さんで最終的に協議しましょうということについては、維新さんもそれで了解ということだと私は承知しています。
Q:自民、公明は何か
逢坂:この点についは、お二人とも話はしておりません。
泉:むしろ逢坂さんと西村さんでよくやってもらいたいと。
逢坂:そんな程度ですね。
Q:2番についても同じく協議ということでいいのか
これは予算委員会も含まれていますので、国対の協議も含めてと言うまとめだったと理解しています。
Q:在外邦人、外国人労働者の問題について、政府・与党から何かリアクションはあったか
政府からは、例えば技能実習生であれば、実習先がなくなれば、同じ職種のところへ紹介をする、移れるという仕組みがあるといったような、仕組みの紹介はありましたが、具体的に、管理団体がどう対応してるのか、例えば3000人いてその内2500人はちゃんと移れたとか、そういう具体的な話はございませんでした。
単に、こういう対応の仕組みがあるという説明だけでした。
仮放免についても、仮放免するからには、ちゃんと生活ができることを確認した上で出しているような答弁だったのですが、実際には単に保証人の存在があるという程度で、どうも放免しているようです。具体的な説明は、政府からは無かったと思います。
ただ、そういうわれわれと政府のやり取りを聞いて、与党側から「え、そうなの」というか、そういう驚きの声が上がり、それであれば与党に対しても政府から説明をしてほしいといったようなやりとりがされていました。われわれが発言したことによって与野党の問題意識が共通化されたかなと思っています。