新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急経済対策を盛り込んだ令和2年度(2020年度)第2次補正予算が8日、国会で審議入りしました。衆参両院の本会議では麻生財務大臣の財政演説に対し、衆院では同じ会派の大西健介議員、参院では有田芳生議員がそれぞれ質問に立ちました。

 冒頭、有田議員は、コロナにより希望を失い自暴自棄になり亡くなってしまった25歳の女性の話を取り上げ、「『エマージェンシー(緊急事態)』の語源は「エマージ」。『何かが現れる』という意味」、このコロナ禍で悪いこともいいことも見えてきたと語りました。

 さらに国民の気持ちと政権が乖離(かいり)しているとして、以下の質問を行いました。

 安倍総理に対し、「総理の眼には新型コロナ禍にある日本の姿はどのように映っているのでしょうか。他人に届かない『干物』の言葉ではなく、『生モノ』としての言葉で具体的イメージを」と答弁を求めました。

 また、政府が配布した布マスク、いわゆる「アベノマスク」について、(1)配布により国民の不安は解消したか(2)配布がなぜ遅々として進まなかったのか(3)配布状況――についてただしました。

 黒川東京高検前検事長の定年延長問題については、(1)処分の「訓告」は「将来における服務」のための「措置」であるため、処分そのものが成り立たないのではないか(2)国家公務員法の規定は「検察官には適用されない」とする1981年の政府答弁と矛盾するとの指摘に対し、安倍総理は衆議院本会議で「法解釈の変更をした」と答弁、解釈変更した日付を示す文書をなぜ出せないのか(3)2017年3月賭け麻雀で自衛隊員9人を停職処分にしたが、レートは同じであるにもかかわらず、自衛隊員は「懲戒処分」として「停職」処分され、なぜ黒川前検事長は措置としての「訓告」なのか――などについてただしました。

 補正予算については、当初予算および1次補正と合わせると、12兆円もの予備費を国会で事前チェックできない状況にあり、追加の対策が必要なら第3次補正予算案を国会で審議するのが、憲法83条に基づく財政民主主義の基本であると指摘、見解を求めました。

 さらに、拉致問題について、第1次安倍内閣と合わせると8年半、安倍首相は拉致問題は「最重要課題」だと内外で主張してきたにも関わらず、被害者の帰国としては残念ながら成果はゼロだと指摘。「あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していかなければならない」といった官僚的な常套句でなく、残された被害者家族に届く言葉で説明を求めました。

【衆院本会議】財政演説に対する代表質問原稿案_有田芳生議員.pdf