共同会派外務部会と立憲民主党SDGsワーキングチームが4日、国会内で合同会議を開催、コロナ対策とSDGsについてNPOにヒアリングを行いました。
SDGsワーキングチームの阿久津幸彦座長は、「多くの国で発令された緊急事態宣言は、一時的に権力を強化する体制。社会が非民主的な方向へ行き、持続的な経済、環境、人権、弱者への配慮などが犠牲になる。コロナ後に向けて、意識を高めて大きく舵を切る必要性がある」とあいさつしました。
続いて福山哲郎幹事長は「コロナ禍の中で、社会の脆弱な部分がより顕在化した。これまでの経済効率性・経済合理性の中では、SDGsより利益が重要視されることが多かったが、今後は、SDGsの17項目をどれだけ制度として根付かせるかが問われる。ぜひ現場の話を聞かせていただきたい」と力を込めました。
SDGs市民社会ネットワーク政策顧問を務める稲場雅紀氏は、「SDGsが対象とする気候変動、生物多様性の喪失、貧困、格差といった『慢性的危機』は、急性的危機を連鎖的に呼び込むことにつながり、人々の命を奪い、生活を破壊する。SDGsの達成目標一つ一つを指導理念とするポスト・コロナ社会の構築が重要」と述べたうえで、多くのNPOで策定したボトムアップ・アクションプラン2020を紹介しました。
ほかにも、防災・減災NGOネットワークの長岡素彦氏、日本NPOセンターの上田英司氏、ジョイセフの斎藤文栄氏、プラン・インターナショナル・ジャパンの長島美紀氏、ワールド・ビジョン・ジャパンの柴田哲子氏、「環境・持続社会」研究センターの遠藤理沙氏が、防災・減災、ジェンダー、若者と子ども、環境などのSDGsテーマについて提案を行いました。
最後に外務部会の山内康一部会長が、「危機の時には、日頃の構造的な問題点が明らかになりやすい。変えるべきものと変えてはいけないものがある中で、火事場泥棒のように新しい制度を強引に導入されないように、NPOの皆さまには、今後もWatch Dog(番犬)としての役割と政策提言の役割とを担っていただきたい」と締めました。
立憲民主党からは司会を務めた尾辻かな子衆院議員のほか、森山浩行、櫻井周、山川百合子、堀越啓仁各衆院議員が出席し、活発な議論を行いました。