衆院本会議で14日、「復興庁設置法等の一部を改正する法律案」の趣旨説明質疑が行われ、共同会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」を代表して金子恵美議員(福島1区選出)が質問に立ちました。

 本改正案は、(1)復興局の位置等の政令委任(2)復興庁の廃止期限の延長(3)その他所要の改正(4)対象地域の重点化のための各種計画の作成主体の見直し――等を行うものです。

 冒頭、金子議員は、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方への哀悼の意を示すとともに、療養中の方々にお見舞いの言葉を述べました。新型コロナウイルスとの闘いの最前線で取り組んでいる、医師や看護師、病院スタッフの方々に対し敬意と感謝の意を表しました。

 その上で、政府の判断で検察幹部の定年を延長できるようにする検察庁法の改正をめぐっては、先週末から「 #検察庁法改正案に抗議します 」のハッシュタグを付けたツイートが現在約1000万件に迫っていることに言及。「この改正が行われれば、準司法機関である検察が常に政権の顔色を窺い、三権分立の危機に瀕すると多くの国民の皆様が日本の未来を憂いている」と問題視し、法務大臣自ら委員会に出席すると与党に要望してもらいたいと求めました。あわせて、13日の質疑で大臣が答弁できなかった、定年延長や役降り特例の基準について、「委員会審議で明らかにする事をお約束下さい」と迫りました。

 復興庁設置法等改正案については、(1)新型コロナウイルスでさらに苦境に陥る被災地への支援(2)地震・津波被災地域について復興・創生期間後5年間で復興事業緒を全うすることを目指すに至った経緯(3)復興の司令塔としての復興庁の在り方(4)蓄積した復興に係るノウハウの活用の在り方(5)復興特区税制の対象地域の重点化(6)原子力災害被災地域に対する支援の継続(7)移住・定住の促進や交流・関係人口の拡大(子ども・被災者支援法と関連して)(8)福島復興再生計画の創設(9)復興・創生期間後の復旧・復興事業の規模及び財源(10)エネルギー対策特別会計におけるエネルギー需給勘定から電源開発促進勘定への一時的な繰り入れ(11)汚染水問題――について取り上げ、政府の見解をただしました。

 金子議員は、東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ処理水に関し、政府が処分方針決定に向けた第3回意見聴取会合をウェブ会議形式で開いたことに、「今リスクを冒して開催を強行する必要があるのか。小委員会報告書のお墨付きと時間切れを理由に処理水の処分方法の決定を急いでも、地元は到底納得できるものではない」と批判。「最終決定に当たっては、農林漁業関係者をはじめとする地元の皆さま、国民の皆さまの理解とさらなる議論が必要不可欠。地元の市町村議会の説明会でも、さまざまな懸念が示され、国に万全の対策を求めている。国の責任ある対応が必要だ」と述べ、政府の見解を求めました。

 金子議員は最後に、「慎重な議論が求められる汚染水問題について、コロナ禍に紛れ拙速に議論を進めようとする政府の姿勢は、断じて許されるものではない」と重ねて主張。「真摯に被災者の声に耳を傾け、『復興・創生期間』後においても、被災者の最後の一人まで支援を続けることを強く求める」と述べ、質問を終えました。 

【衆院本会議】2020年5月14日復興庁設置法等改正法案趣旨説明質疑 金子恵美議員.pdf