参院本会議で30日夕、令和2年度(2020年度)補正予算案の採決が行われ、賛成多数で可決、成立しました。

 なお、参院予算委員会では、採決に先立ち杉尾秀哉議員が賛成の立場から討論を行いました。

 杉尾議員は、「新型コロナウイルス感染拡大による未曾有の被害に、日本中が震撼する中で、一刻も早い『救いの手』を待つ国民や事業者の立場からすると、本案に『賛成』する以外の選択肢はない」とする一方、その内容については「『もろ手を挙げて』賛成するような代物では到底ない。『Too little,too late』。『小さすぎて、遅すぎる』。しかも、『Too fake』。『偽物すぎる』という言葉まで付く」と述べました。

 また、これまでの安倍政権の対応を「アベノミクスの経済成長と、自らのレガシー作りに目が眩んだ安倍総理が初期対応を誤ったのは誰の目にも明らかだ」「本予算審議から2か月間も時間を浪費。挙句の果てに、前代未聞の予算組み替えで、さらに1週間成立が遅れる失態を演じた」と批判。安倍総理が「世界最大級」と自画自賛した、当初108兆円だった今回の補正予算での、いわゆる真水は最終的に26兆円程度に過ぎず、一方で感染収束後の「Go To キャンぺーン」のような不要不急のものまで含まれていると指摘しました。

 立憲民主党など野党共同会派が今回の補正予算の審議にあたって提出した「事業者などの減収の補償を2倍の4.6兆円」「賃料の支払い猶予に5兆円」「地方創生臨時交付金を1兆円から5兆円に」などを内容とする組み替え動議は衆院で否決されたことに言及。「われわれ野党も国民を代表している。どうか『より小さな、より弱い人』たちの声にも、真摯(しんし)に耳を傾けていただきたい」と求めました。

 杉尾議員は最後に、われわれはコロナウイルスを引き金とした「金融危機」の、そして「世界恐慌」の淵に立たされているとして、「補正予算だけでこうした事態を回避できるとは思えない。その危機感をあらためて与野党で共有すべき」だと訴え、討論を締めくくりました。