全国の自治体の水道事業や下水道・ガス事業等に勤務する人たちで構成する全日本水道労働組合(全水道、二階堂健男中央執行委員長)は27日、新型コロナウイルス感染症で減収となった事業者や家庭の下水道料金減免の実施と、それに伴う水道事業特別会計の赤字への自治体一般会計からの繰り入れに対する国の財政支援を求める緊急要請を行いました。立憲民主党からは政府・与野党連絡協議会に出席している逢坂誠二政務調査会長と新型コロナウイルスの党対策本部事務局長の岡島一正災害対策局長、団体交流局長の西村智奈美衆院議員が応対しました。全水道の組織内議員である武内則男衆院議員、森山浩行衆院議員が同席しました。
全水道の二階堂中央執行委員長は「われわれはライフラインを安全・安心に供給し続ける立場で、水道料金の減免に対する国費負担について要請したい」とあいさつし、具体的要請内容を村上彰一書記長が説明しました。新型コロナウイルス感染症の拡大のなかで、家計や事業者の所得が減る一方で、在宅が増えるなかで水道・下水道の使用料は増えており、水道料金などの負担が一層市民の皆さんに大きくのしかかかっているとして、(1)水道料金等についてすべての自治体・事業者が減免措置を講ずること、(2)減免分の水道料金等の補填のため、国による各自治体への措置を講じること、(3)水道料金等の減免において、水道・下水道事業の持続性と事業基盤を損なうことがないよう、国による自治体への助言を行うこと――を要請しました。
逢坂政調会長は「事業されている皆さんや家計において、固定費をどれだけ下げられるかが大事なポイント。家賃についてはいま今法案を準備している」と現在の取り組みを報告。要請にある自治体への措置の内容について「全国の自治体が減免を行ったら特別交付税ではとても追いつかない。今回の補正予算案で地方創生臨時給付金は1兆円あるが、1490億円の厚労省の給付金に対する自治体の1/2負担が同額盛り込まれており、自由になるのは8500億円しかない。最初から10/10給付にすれば余計な申請事務も減らせるのにおかしなことをしている。私たちは1兆円では少ないとして、年間の地方交付税の1/3の5兆円ぐらいまで必要だと4兆円の積み増しを提案している」と組み替え案を説明しました。二階堂委員長は「すでに当初一般会計から補填するつもりでいた自治体が、給付金の額を見てこれでは無理だと断念し、水道事業会計に押し付けようとする動きが出ている。給付金の上積みが必要だ」と危機感を表明しました。