日本労働組合総連合会(連合)は5日、国会内で「新型コロナウイルス感染症対策」における小中高校の全国一斉臨時休校などに関する緊急要請を行い、福山哲郎幹事長、逢坂誠二政務調査会長、辻元清美幹事長代行、水岡俊一文部科学部会長、川内博史文科副部会長、尾辻かな子厚労部会事務局長と懇談しました。

 冒頭、連合の相原康伸事務局長が、「政府がいま進めている対策は、働く人に十分届いていない。雇用形態が大きく変わっているため、フリーランスはもとより、企業体・事業体に援助を投入してもそこから先に届いていない。中小零細に関しては、米中貿易戦争で相当傷んだうえでのコロナなので、先行きの不透明感含めて仕事が回っておらず、資金繰りがたいへん危惧される。貸し付けを飛び越え、具体的な支援対策が必要。特にサプライチェーンに関して相当憂慮している。全国で電話相談を行っているが、昨日1日で1000件を超えた。検査で陰性なら出勤してもいいと言われたが、検査が受けられず出勤できないケースなども寄せられた」と、働く現場からの窮状を語りました。

 福山幹事長は、「感染の広がりを抑えることが大きな問題であることは間違いないが、経済の冷え込みは想像を絶する。加えて、安倍総理の一斉休校およびイベントの一斉自粛の要請で、働く皆さんの雇用・給与補償について、非常に不安が広がっている。政府の考えるスキームで一人ひとりに給与保障が届くかどうかは疑問。本日の要請を、しっかり政府側に求めていく」と力を込めました。

 井村和夫・総合政策推進局長は、(1)学童保育の十分な定員と場所の確保、放課後児童健全育成事業費の増額(2)企業規模、雇用・就労形態にかかわらない所得補償(3)保護者である労働者が休業した場合、それを理由に解雇・雇止めをしないよう都道府県労働局として周知・徹底(4)中小零細企業への支援措置――などを含む要請内容を説明しました。

 逢坂政調会長は、「肺炎で体調が悪くなる以上に、経済・雇用でみんなの調子が悪くなっている。会派合同で対策本部を開催しているが、経済対策についても、なんらかの提言をしたい」と述べました。