「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」が14日、国会内で「選択的夫婦別姓について考える超党派有志勉強会」を開催しました。

 まず、第2次夫婦別姓訴訟弁護士の野口俊彦さんが、2015年に最高裁で「選択的夫婦別姓制度について国会で議論すべき」との判決が下ったにもかかわらず、国会で法改正が議論されないまま4年近く経つことを指摘、国会での論議を強く促しました。

 結婚時に妻の姓を選択し、旧姓を通称として仕事をしているサイボウズ株式会社代表取締役社長の青野慶久さんは、企業経営者として「改姓して困ったこと」を具体的に紹介。民法上は夫婦同姓でもかまわないが、戸籍法を改正して旧姓に法的根拠を持たせ、戸籍上の氏名は変えずに社会生活を送れるようにしてほしいと主張しました。

 基調講演を行った元法務省民事局参事官の小池信行さんは、1996年に法務省・法制審議会が民法改正案を作成したにもかかわらず、それが国会に上程されなかったことを紹介。2020年にふさわしい法改正への期待を語りました。

基調講演を行った小池信行さん

 続いて事実婚をしている方々が登壇し、(1)子どもの身分がいまだに「非嫡出子」である(2)病院で重要な意思決定ができない(3)介護施設へ夫婦同居できない(4)相続に税控除がない(5)不妊治療の助成が受けられない(6)海外勤務で配偶者ビザが支給されない――など、法的保証のない婚姻の大変さを説明。選択的夫婦別姓制度の導入を求める切実な思いを訴えました。

事実婚をしている方
事実婚をしている方

 初当選から27年間、選択的夫婦別姓を公約に掲げ続けてきた枝野幸男代表は、会議後に記者からの質問に答え「党としても私個人としても、厚い壁にさえぎられてきたテーマである。こうして当事者が力強く声をあげてくださり、大変勇気づけられた。世の中の空気も国会周辺の空気も、明確に変化がみられる。もう一押しか二押しで、厚い壁を突破できるのではないか。自民党にも同じ思いをもっている議員が少なからずいるので、皆さんが動きやすいように、あえて党派色を出さず、各党連携してやっていきたい」と語りました。