衆院予算員会で3日から令和2年度総予算の基本的質疑が始まり、共同会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」から岡本充功、渡辺周、玄葉光一郎、辻元清美の各議員が質問に立ち、新型コロナウィルス感染症の対応や北方領土問題、中東問題、憲法改正等について取り上げ、安倍総理ら政府の見解をただしました。
辻元議員は質問の冒頭、新型コロナウィルスへの対応をめぐり「総理に約束してほしいことがある」と切り出し、「人々が不安になっているときに政治にとって一番大事なのは情報公開と政治への信頼だ。政府が情報を隠しているのではないか、嘘をついているのではないかということが広がると不安がパニックになってしまうことがある。今回の新型コロナウィルスの問題では、いつ誰が何を決め、どのように対応をしたのか、記録をすべて保存しておいてほしい。昨日、例えば職員が対応した記録も明日、明後日に振り返らなければいけない。また、将来いったいどういう対応してきたのかという検証し、教訓にもしなければいけない」と指摘。「政府にとって都合の悪いと思われる情報があったとしても隠ぺいや改ざんはせずにしっかり真実を情報公開し、すべての文書を保存すると約束してほしい」と求めましたが、安倍総理は「ルールに則り対応する」と答えるにとどまりました。
辻元議員はその上で、「総理の言葉、発言や振る舞いを信じられなくなったら、嘘をつかれているのではないかと思われるような政府では危機は乗り越えられない。残念ながらいま、『桜を見る会』をめぐって安倍総理はすべての国民のための政治ではなく、一部の支援者やお友だちを優遇してきたのではないかという疑念がかけられている。その渦中にこの問題が起こった。今日で疑念をきっぱり晴らしていただきたいそして、総理大臣の言葉が信じられる国にしたいとの思いで事実確認をさせていただく」と続け、「桜を見る会」の前日に安倍総理の後援会が主催していた前夜祭の会費をめぐる問題に言及。第2次政権以後、これまで7回開かれたホテルでの前夜祭で、なぜ一人ひとりに領収書を渡すという「安倍方式」を取ったのかと迫りました。政治資金規正法は、政治団体に収入や支出があった場合、政治資金収支報告書への記載を義務付けており、この法の趣旨は政治資金の透明性と公正を確保するもので、公開することでその是非について政治団体の活動が国民の不断の監視と批判の下に行われることを目的としています。
安倍総理は、質問には答えず、前夜祭の契約主体は参加者個人で、安倍事務所は仲介者であって収入や支出はない、参加者にはホテルの職員立会いの下ホテルのルールに従い領収書を渡しているので問題ないと強弁。辻元議員は、「政治資金規正法の抜け穴見つけて言い訳しようとしているとしか思えない。違法状態が続いている。範を示すべき総理だから言っている。さかのぼって訂正記載したらどうか。そうでないと政治のものさしが変わってしまう」と迫りましたが、安倍総理は同じ答弁を繰り返し、参加者個人に渡した領収書についても「間違いなくある」と述べる一方、提出については「契約の主体は参加者とホテル側」だとして拒否しました。